このページに掲載されているニュースは『日刊・米穀市況速報』の一部記事を要約して提供しています。
記事・図表の無断転載・引用を禁止します。

- 2007年7月3日 -

会長に安田氏、社長に萩原氏が就任(米心石川)

 7月1日、石川県の3卸(石川県米穀、パールライス石川、北陸中央食糧)が統合した新会社「米心石川」(べいしん・いしかわ)が発足した。

 取締役会長には、安田舜一郎・JA石川県連会長、代表取締役社長には萩原貢・県米穀社長がそれぞれ就任した。

 役員人事は以下の通り。(敬称略)▽代表取締役専務=平田長久▽常務取締役(総務部・営業部・業務部・製造部担当)=城田章▽同(商事部・炊飯部担当)=松下正治▽取締役=竹田征三▽同=坂本繁▽監査役=増田明、林幹二、池田繁。


- 2007年7月2日 -

7月結果で8月以降の枠調整(政府米)

 出来秋までの需給・市況でポイントになるのが政府米。7月入札は、16年産4万トン、17年産1万トンの計5万トンがメニュー提示された。8月以降の月間枠についても概ね同程度だが、7月入札結果が反映される見通し。

 16年産は、個別銘柄ごとに不足する結果になれば8月以降の販売枠を増やす方向。一方、提示の4万トン全量が落札された場合、月間販売計画の3万トンを超えるため、8月以降で削減調整される可能性も。

 17年産は、銘柄ごと在庫数量が1千トン以上の52産地銘柄(各200トン)が提示されている。在庫銘柄は、1等・1等ばら・2等・2等ばらを含めて100銘柄以上あり、少ロットの産地銘柄は随時メニューに吊される予定。


- 2007年6月29日 -

大手卸が系統離れ?(西日本)

 米穀業界では、19年産米に向けた全農の販売手法が注目されているが、その一方で18年産販売における卸業者の“離反”も色々な場面で話題になっている。

 年間数十万トン規模の米を調達する西日本大手A卸では「詳しい集計データは出していないが、18年産米の系統仕入は前年産に比べ10%程度が減少した感触を持っている。外食、中食向けの18年産使用が7月から拡大することで、最終的には不明瞭だが8%からMAX10%は減るのでは。理由は単純にリベートの廃止。スケールメリットの恩恵がほとんど無い取引は、大きな買い物をする意味が持てない。減った分はJAや大規模な生産者グループから直接仕入たり、現在の話としては政府古米をかなり手当している。19年産米に向けては仕入の大きな幹としてのポジションは変わらないが、産地からの手当ルートの拡大は引き続き試みていく。単独でカバー出来ない部分が友好な商社にお願いする時も」(仕入本部)との対応を採っている。

 また近畿圏を基盤とする有力B卸でも「系統仕入を基本とする方針は19年産でも同じだが、産地や銘柄によっての格差は出てくる。現行の18年産でも表れているが産地との直接仕入の拡大で、産地県によっては系統手当が極端に減少したところも。当社クラスでもこうした変化なことで、もっと規模の大きい卸ではさぞかし…」(仕入課)という。


- 2007年6月28日 -

山手食糧、本店機能を7月に移転

 東京山手食糧販売(協)(片桐久之理事長/東京・新宿区)では、7月3週目を目途に本社機能を杉並区内の自社ビルに移転させる。移転先は6月末に竣工が予定される山手荻窪ビルで、7月17日から新本社での業務をスタートさせる。新たな自社ビルの竣工に伴って、新宿、中野、杉並区内に置かれた営業所機能も統合させる。

 今回の経緯については「米穀部、事業部、営業部などが入る山手新宿ビルは手狭な事で、以前から新たな本社ビルの必要性は出ていた。当社が保有するビルのうち老朽化が激しい荻窪ビルを取り壊し、その跡地に新たな自社ビルを建設し本社(本店)、営業所を合併させる形で入居することになった。移転後の新宿事務所はリニューアル工事を行い、新たなテナントさんにお貸しする予定」としている。

 新事務所の概要は以下の通り。▽住所=〒167−0034東京都杉並区桃井2−2−1▽電話=総務部03−3301−8053・米穀部03−3301−8031▽FAX=03−3301−8036。


- 2007年6月27日 -

早期4県コシ、系統販売計画4万5千トン

 徳島・高知・宮崎・鹿児島4県のJA系統による19年産コシヒカリの集荷・販売計画は4万5,190トン。各県の内訳は▽徳島=1万1,500トン▽高知=8,500トン▽宮崎=1万7,190トン▽鹿児島=8千トン。

 今年は「作柄が良さそう」(産地筋)とされ、各県とも集荷以上に販売面での注力が必要な展開が見込まれる。

 その他の早生品種は▽徳島ハナエチゼン=1千トン▽高知ナツヒカリ=800トン▽宮崎さきひかり=200トンなど。


- 2007年6月26日 -

特選さぬき米、首都圏で販売(JA香川県)

 JA香川県はこのほど、首都圏でもKブランド「特選さぬき米」(ヒノヒカリ・はえぬき)の販売を始めた。東京・虎ノ門パストラルでは5〜6月の2カ月間、館内のレストランや宴会場で使用する米に特選さぬき米ヒノヒカリを採用。

 特選さぬき米は食味値80以上などに設定された米で、Kブランドはかがわ農産物流通消費推進協議会が認証した農産物・加工品が対象となる。レストランなどでの取扱いは5トンの計画。その他、管内では2kg袋の小売も行っている。

 また、6月からは特産品ショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」(東京都港区新橋)でも特選さぬき米の販売を開始。「東日本の米に慣れている関東で、西日本産の米は別の特徴があり、好評を得ている」という。


- 2007年6月25日 -

WTO座礁、二国間交渉が主役に

 WTO交渉は、交渉妥結の突破口を探る役割を担っていたG4(アメリカ、EU、ブラジル、インド)の閣僚会合が決裂、年内妥結の可能性は非常に薄くなった。来年はアメリカ大統領選挙の年であり、実質的な交渉の再開は2年先になるとも見られている。

 今後の貿易交渉はFTA、EPAなどの二国間協定に焦点は移る。すでに交渉が始まっているのは韓国、インド、ベトナム、オーストラリア、スイスだが、2国間協定では全品目の関税に上限を定めようとするような議論は避けやすいことや、日本のコメ市場に決定的な影響を及ぼしそうな大輸出国は見当たらないことから、輸入米によって国産米が大きな打撃を受ける危険はひとまず遠のいた。


- 2007年6月22日 -

中規模農家が減反を止めるケースも(品目経営対策)

 農水省は6月20日、5月末現在における19年産品目横断的経営安定対策の加入申請状況を公表。米は4〜5月申請分が6万8,371ha、合計で21万9,831ha(昨年秋の麦加入受付期間における米も扱う申請者分を合わせたもの)となった。

 国による加入目標約37万5千haに対し6割の進捗。関東の某JA関係者は、「田植えなどの作業が集中したことや、代筆禁止で代理申請に手間取っているが、事務所から催促されてもおり、6月中には行いたい」と話している。

 一方、同対策により生産者が生産調整への取り組みを図るかどうかについては功罪を指摘する。「麦を作っている農家は品目に入らないといけないということで生産調整に取り組むところが出る一方で、中規模農家(1町程度)のなかで認定農業者になれず、集落営農にも入れないところが止めている」とされる。結果として減反に効果があったかどうかは、まだ判断出来ない段階のようだ。


- 2007年6月21日 -

ベトナム産米、残留農薬で検査頻度を引上げ(厚労省)

 厚生労働省は先月、検疫所のモニタリング検査の結果、ベトナム産うるち精米から農薬アセタミプリドが基準値0.01ppmを超える0.03ppm検出される食品衛生法違反の事例があったとして、残留農薬のモニタリング検査の頻度を5%から30%に引き上げる対応を決めている。違反事例は、破砕したうるち精米で、輸入業者はA商社。

 輸入米関連では、4月にもヨーロッパで安全性未審査の遺伝子組替え米の混入が報告された製造・輸出3業者の中国産米加工品(米を主原料とするもので、米粉、ビーフン、はるさめ等、未加熱又は加熱の程度が低いものとする)の検査頻度を30%に引き上げる対応のほか、家電Bメーカーが輸入した台湾産米(うるち精米)から農薬メタミドホスが基準値0.01ppmを超える0.04ppm検出されたとして、検査頻度を30%に引き上げる対応をとっている。


- 2007年6月20日 -

ホクレンパールライス、炊飯事業に参入

 道産米の好調さを背景にホクレンの事業も順調のようだ。4月1日付けで、「ホクレンパールライス」がJAさっぽろから炊飯卸会社のJAサッポロライスを継承する形で炊飯事業にも参入している。

 社名を「サッポロライス」に改称して、従業員85名もそのまま引き継いで再スタートを切っている。「パールライスの精米販売の拡大と(コメ全体の)消費拡大、その相乗効果を図っていく」(パールライス・幹部)のが狙いという。

 家庭用で消費が減少しているなかで、外食、中食等の業務用世界で販売拡大はまだ見込めるとの判断もある。ここで吸収した業務用向けの販売ノウハウを、道外での販売に生かす狙いも。昨年度の売上高は13億円弱だが、2009年度には15億円(精米使用量1,800トン)を目標に取り組む方針。


- 2007年6月19日 -

持帰弁当に玄米メニューを投入(ハークスレイ)

 西日本地区で持ち帰り弁当店「ほっかほっか亭」を運営する(株)ハークスレイでは、6月14日から玄米を使った「玄米豚トロスープご飯」を発売した。九州地区を除く、西日本地区の同社管轄全店で販売されており、「消費者の健康志向の高まりを受けて、玄米第1弾メニューとして14日から投入した。

 今後は各店舗における新メニューの動きを見ながら、7月以降に第2弾、第3弾と継続的な新メニューの発売を考えていく」(本社)としている。玄米メニューでは4月から各店舗で40円の追加料金で、白飯から玄米に切り替える対応を実施している。

 加えて5月からは同社ホームページ上において、玄米パック商品“味わい玄米”の販売も始めている。価格は200g入り×5食入り1,200円(1食当たり240円)で、「圧力釜の手法で炊きあげてそのままパックしたため、玄米独特のパサパサ感を払拭することが出来た。玄米はビタミンEが白米の7倍含まれ、またミネラル、食物繊維も抱負な健康メニュー」という。

 5月からのホームページ上での玄米販売の状況については「詳しい販売データの集計は今後になるが、店舗での弁当を含め玄米取組みを拡大していきたい」(同)とのこと。


- 2007年6月18日 -

沖縄ひとめ、本島販売▲100円の2,280円

 沖縄・八重山産ひとめぼれの本島販売は、「15日に店頭に着けるスケジュール。販売開始はそれぞれの店が決める」(県内卸筋)とされる。小売価格は5kg2,280円が目安だが、バラつきが出る模様。昨年は2,380円で統一的に始まっており、目安価格は100円下げた格好。

 過剰感の解消を目指したもので、18年産1期作が売り切れないうちに2期作が出回り、19年産1期作の始まりまでに前年産2期作の処分が終わらないという流れを改善するため。入庫している玉は、「1等米。今後は2等米も出てくると思うが、見面など品質は昨年に比べ良い」との評価。仕入れは、「梅雨とはいっても小雨傾向で、刈り取りは順調のようだ」とされ、支障は出ていない。


- 2007年6月15日 -

宮崎コシ7/22収穫開始、短期型予想(県中)

 宮崎コシヒカリの生育は「あと1週間程度で早いところが穂揃い期に入る。収穫は7月22〜23日頃から始まり、ラニーニャの影響で梅雨が早く上がれば短期型になる」(県中部地区)と予想している。

 その他(1)5月20日〜6月頭にかけて天候に恵まれたため、中干しが十分にでき倒伏懸念がない(2)茎数が平年より7〜8本多く、収量が増える見通しで、作況は103〜5も考えられる(3)日中は気温が高いが、朝晩は冷える−など今年は好条件で推移しており、産地筋の品質・食味に対する期待は大きい。台風・収穫時期の降雨などがなければ、7月中に相当量が出回りそうだ。

 農家によるコシヒカリの出荷契約は約22万袋(30kg)と前年に比べ若干減。18年産米の集荷価格が安かったことが響いていると見ており、19年産米の設定を気に掛ける。

 他地区の関係者からは、前年より安くなるとの覚悟も聞かれるが、農家の判断はスタートで7千円(同)ラインを守れるか、あるいは切れるかによって大きく異なるという。事前の話が出るのは、7月上旬になりそうだ。販売面は「知事効果で、買い手卸が例年以上に取扱いを増やすという話が伝わる」と期待される。


- 2007年6月14日 -

きらら1万4,090円、239円高(定期入札)

 6月13日、コメ価格センターで行われた18年産の第39回入札は、定期注文取引に7産地品種銘柄3,223トンが上場され、うち5産地品種銘柄1,926トンが落札となった。落札率は59.7%。

 落札平均価格(裸、消費税抜き)は、きらら1万4,090円(前回比+239円)、ほしのゆめ1万3,858円(同+157円)、ななつぼし1万3,718円(同+129円)と、北海道産3銘柄がさらに続伸、本年産の高値水準だった昨年12月〜今年1月価格まで戻した。

 申込は各9〜14業者で、落札はきらら・ななつぼし各3業者、ほしのゆめ1業者。必需筋の応札と見られるが、きららは上場削減、ほしのゆめ・ななつぼしは最終上場(見込)という条件も影響したものと見られる。

 その他、秋田こまち、新潟岩船コシに補充買いが見られたが、新潟一般・佐渡コシヒカリには応札がなかった。


- 2007年6月13日 -

ラニーニャ秋まで、豊作の可能性と高温障害の懸念

 気象庁はこのほど、「ラニーニャ現象が発生、秋まで続く可能性が高い」との予測を公表した。暑い夏が見込まれ、水稲にとっては高温障害などの品質面への影響が懸念される一方で、収量面では豊作の可能性が出てきた。

 ラニーニャ現象が発生している時の日本の夏は、(1)気温は、東・西日本で「平年並み〜高い」傾向(2)降水量は、東・西日本太平洋側と南西諸島で「平年並み〜多い」傾向−が見られる。1949年以降12回発生し、うち夏の季節に発生していたのは16回。その年の豊凶は8勝4負4分。平均作況102.0となっている。


- 2007年6月12日 -

7月政府米販売枠6万トン、17年産解禁も決定

 6月11日、農水省は7月以降の政府米販売方針について、(1)提示枠6万トンを目安とする(2)17年産販売を解禁する−の2点を決めた。販売が制限され1千円以上急騰していた16年産米も一気に販売枠が拡大、6月の応札数量なら1倍に満たず、予定価格まで拾われることになる。居所修正は必至の情勢。

 年間販売数量については、基本指針の買入数量と同数の40万トンを仮置きし、作柄など需給変動をに応じて今後指針で見直す方針。月間販売数量は、既に指針に明記されている年間販売の12分の1(3万トン目安)を念頭に、過去の入札販売実績(提示数量の半分くらい残が発生する)を参考にして2倍の6万トンを目安に設定した。

 さらに17年産の販売を7月から解禁することも決定した。販売メニューを公告する6月20日過ぎまでに販売枠を検討する。各銘柄100トンなら7千トン規模、せいぜい倍までの範囲か。その他、7月からは既報のように車側渡し販売が制限される。産年・産地及び品種銘柄が同一の米穀を500トン以上落札した場合の引取期限の延長は、従来通り実施する。


- 2007年6月11日 -

南国そだち20日頃出穂、水不足影響なし(高知)

 高知産早期米のトップを切る南国そだちは、今月20日前後の出穂が見込まれ、平年ペースで推移している。早期米全体の生育は順調で、一般のニュースで取り上げられている水不足も問題はない。

 早期米は田植えが既に終わっていることや、作付地帯が平野部で河川が多くあることも大きい。普通期米が作付される山間部は「高い地域で谷川から水を引いているケースがある。水量が細っているところは若干影響が出るかもしれない」(関係者)といわれる。

 一方、香川県では作付の多いヒノヒカリの田植えが一部で始まっている。「15日以降の遅植えを指導しており、本格化するのは来週に入ってから」の見通し。農業用水については「このままの状況が続くと少し心配。ただ。水系がマチマチで、一概にどの地域がどうこういえない」とされ、把握が難しい状況のようだ。


- 2007年6月8日 -

農業者取組は2,500トン(19年産加工用米)

 地域流通農業者と加工需要者による19年産加工用米の取組計画は約2,500トンで、前年産米に比べ少し増加している。

 地産地消の取組の一環として16年産米から始められたものだが、地域の需要者と契約を結ぶことになっているためか、大幅な増加には至っていない。計画はもち米が6割強を占め、この趨勢は変わらない。

 一方、全国出荷団体による取組計画は今年1月に認可されている。変更がある場合は6月末までに申し出ることになっているが、いまのところ話は出ていないようだ。全農分は17万トン。出荷契約は順調に積み上がっていると伝わる。


- 2007年6月7日 -

沖縄ひとめ、▲300円の1万6千円で決定

 沖縄ひとめぼれのJA系統販売価格が1等1万6千円(前年比▲300円)で決まった。7月10日までの那覇港渡しで、等級間格差は前年と同じ1等対比で2等▲500円、3等▲1,300円。卸筋への供給数量は前年並みの1,600トン強が見込まれている。

 某販売業者は販売価格から推定して「末端価格が5kg2,200〜300円になるのだろうが、果たしてそれで売れるのか。昔と違い消費者も県内産米に対するこだわりがない」とされ、厳しい展開を予想する。

 検査は5日段階で3回実施しており、概算で▽1回目=11トン▽2回目=10トン弱▽3回目=11トンの計30トン程度。等級は2回目で半分弱の2等が出たが、それ以外は1等の格付け。2等の要因は着色粒によるもの。

 ただし、カメムシ被害対策として「ライスセンターの荷受けは生籾を擦って分けている上、以前に比べれば被害が少なくなってきている。生産者の意識が上がっていることと、今年は天候が良かったため」(関係者)とされる。梅雨に入っているものの、あまりまとまった雨が降っておらず、収穫は順調に進んでいる模様。


- 2007年6月6日 -

18年度MA一般検査50万トン、相当量が次年度へ

 農水省はこのほど、18年度MA一般輸入米(SBSを除く)の産地種類別の検査結果を公表した。

 検査数量は精米41万4,018トン、砕精米8万2,202トンの計49万6,220トン。事故品126トンは含まない。

 18年度の契約数量と一致しないが、これは18年4月〜19年3月までに検査した数量で、今回の公表には17年度契約分も含まれている。ただし、各年度とも丸米(玄米を含む)は46万トン前後、砕精米は11万トン前後が輸入されており、次年度への持ち越しが相当量出ているものと推定される。

 18年度契約の豪州・米国丸玄米は4月以降にズレ込んだ格好。また、タイ産もち砕精米の不足対応で輸入されたベトナム産米は、一部需要者に使用を敬遠されたが、検査の主な平均値は▽水分=13.9%(タイ産比+0.6%)▽うるち精米粒=6.6%(+0.8%)▽完全粒=2.2%(+2.1%)。


- 2007年6月5日 -

19年宮崎コシ販売計画2,200トン(主食集荷)

 宮崎県と県主食集荷(協)は5月31日、取引卸を招いて「産地報告会」を開催した。参加者は24名。

 今年は児湯郡と西都市の圃場を視察、「作柄のバラつきがあり、平年作はあるだろうが、一概に豊作ともいえない」(関係者)とされ、4〜5月の日照時間の違いなどが生育に表れているようだ。今後の天候次第で作柄・出回り時期が変わってくるため、これからの動きが重要になる。

 一方、卸サイドの需要については「米全般の価格帯が一段と下がっており、売れる価格が決まっている。コシヒカリのスタートで5kg2千円以上では動かない。また、雑品種(さきひかりなど)への需要が強いが、作付が増えない。このミスマッチが大きい」とされる。コシヒカリの販売計画は前年実績の2,200トン。JA系統と異なり、全集安心米の取り組みは行わない。


- 2007年6月4日 -

コメの表示、もっと多様に(規制改革会議)

 内閣府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は「規制改革推進のための第一次答申」で、コメの表示制度の見直しについてかなり踏み込んだ内容をまとめた。

 答申が現行制度で問題としているのは、 (1)農産物検査法による検査を受けたコメだけしか産地、年産、表示ができない、(2)各都道府県ごとに設定されている「産地品種銘柄」以外のコメは品種表示などができない、の2点。

 コメ表示のありかたについてはJAS関連の機関でも、DNA鑑定などを根拠として表示が可能かどうか検討されている。しかし、同答申では「単に農産物検査以外の根拠をもって品種表示が可能か否かだけの検討ではなく、将来的な広域農業経営や高付加価値商品開発によるブランド化を見据え、魅力ある商品開発を可能とする観点からも検討」し、本年度中に結論を得るよう督促している。

表示以外のコメで関連では、(1)民間企業が育成した品種の普及推進、(2)品種登録審査期間の短縮、(3)加工用米(生産調整カウント分)は必ずしも既存の集荷団体を通す必要はないことの周知徹底などを、いずれも本年度中に措置すべき案件としてとりあげている。


- 2007年6月1日 -

出穂後の高夜温を算定要因に盛り込む(平年収量)

 農水省は5月30日、第4回水稲平年収量検討会を開催した。今回は事務局から平年収量への反映手法のたたき台が示され議論、基本的に了承された。

 主要な改正点は▽気温の上昇トレンドを取り込む▽登熟期の高(夜)温は収量にマイナスで、これを反映させる−という2点。次回(6月22日)は委員から出た修正点などを加え、「温暖化に伴う米生産への影響(最終版)」と「今後の平年収量への反映のあり方(案)」が提示される。19年産米で検証し、20年産米から採用する。平年収量を基準にして、作付面積や集荷円滑化対策の発動が行われるため、基準見直しの影響は大きい。

 議論の整理は(1)気温(2)気温日較差(3)北日本の暑夏及び冷夏(4)降水量・日射量(5)台風(6)二酸化炭素−について気象(大気)の変化と米生産への影響をまとめた。たたき台はこれらの項目ごとに、現状の手法と今後の考え方を示したもの。

 論点となったのは気温の項目。九州における出穂後の高(夜)温は「登熟の阻害要因となるため、品質面のみならず、収量にとってもマイナスの要因となっている」と明記されたこと。高夜温が収量減につながるかが次のたたき台への前提となるため委員の認識の一致が求められたもの。過去の文献の説明なども行われ、文言など修正点があるものの、反映させることで固まった。

 考え方は【現状】気温のデータは出穂前後の合計値で計算。高(夜)温になる地域ではマイナスの方向に補正する情報が表れていない。【今後】出穂後の気温データを重視し、西日本などでは気温が高すぎる場合に収量減になるように反映させる。これにより西日本などでマイナスの方向に補正されることになる。残りの項目は、現状を引継ながら使用している補助変数の幅を拡大することなどを検討するとした。


- 2007年5月31日 -

16〜18年産とも減少(コメ卸4月末在庫)

 コメ卸(旧登録卸)の4月末在庫は、速報値ベースで27万トン、前月より1万4千トン削減した。年産別では、18年産、17年産、16年産、未検査米ともに各2千トン〜5千トンの幅で減少したもよう。

 前年同期より2万トン多い在庫水準で、夏場に向かい在庫調整を徐々に進めているものと見られる。主な在庫水準(推定)は、▽18年産19.5万トン▽17年産2.5万トン▽16年産2万トン▽未検査米2.5万トン−程度。

 一方、コメ卸以外の大手販売業者(スーパー等除く)の在庫は4万2千トンと、前年同期より1万2千トン多い。


- 2007年5月30日 -

精米使用17万トンと好調(炊飯協会)

 炊飯業者の全国組織(社)日本炊飯協会(川島弘士会長)は5月25日、虎ノ門パストラルにおいて平成19年度通常総会を開催した。

 平成19年度事業計画では前期からの新規事業である、「ごはんソムリエ認定試験」事業の一般公募を行っていく計画が示された。今年3月7、8日に日本穀物検定協会の協力で実施した認定試験では、90名の受講者で84名(合格率93%)が初回ソムリエとして誕生したことが報告された。

 また炊飯協会の会員数も18年度は5社加わり総数81社となり、HACCP認定社も56社32ライン、米飯加工品HACCP認定社も審査中を加え7社となった。

 通常総会に続いて行われた懇親会で川島会長は「19年度の通常総会を開催し事業計画、事業予算など、前回一致でお認め頂き無事終了いたしました。18年度の炊飯業界規模も売上高で1,200億円、精米使用量17万トンと好調に推移。米業界が低迷を続ける中にあって、炊飯協会会員の売上高は前年比110%と極めて順調に伸びてきている。また本年度は公益法人改革の年であり、協会としては公益社団法人を目指して活動を図っていく所存ですので、絶大な協力をお願いいたします」と挨拶した。


- 2007年5月29日 -

6〜8月天候、暖候期より高温傾向に上方修正

 気象庁は5月24日、6月から8月までの3カ月予報を公表した。水稲作柄を左右するこの期間の平均気温は、北日本で「平年並みか高く」、東日本・西日本・南西諸島で「高い」とした。北日本・東日本は、暖候期予報よりも高温傾向となる予報に変更した。

 予報の根拠は、(1)大平洋高気圧の日本付近への張り出しは平年よりも強い(2)大平洋赤道域でラニーニャ現象が発生する可能性が高く、過去の発生時の日本の夏は東・西日本で平年並みや高温の出現頻度が多い(3)アジアモンスーンに伴う対流活動が活発で、偏西風が平年より北上する予想となっている−ことを挙げる。4年連続の不作となっている九州地帯では、高温障害対策がポイントになりそう。月別の予報は以下の通り。

 ▽6月=天気は、北日本では数日の周期で変わる。東・西日本、南西諸島では平年と同様に曇りや雨の日が多い▽7月=天気は、北日本では平年と比べ曇りや雨の日が多い。東・西日本では、前半は平年と同様に曇りや雨の日が多く、後半は平年と同様に晴れの日が多い。南西諸島は平年と同様に晴れの日が多い▽8月=天気は、平年と同様に晴れの日が多い。


- 2007年5月28日 -

対中輸出、第1号指定はパールの綾瀬工場

 国レベルで日本国内産米を中国に対して輸出することが合意。攻めの農政を掲げる松岡農水相が、「7月には中国内の小売店で販売される見通しにある」との発言したように、その輸出に向けて全農系統の関係者によって準備が進められている。

 実務ベースで日本が中国と交わした協定に合致する工場の指定はすでに終了している。ただし、その指定工場に対して中国側の防疫等に係わる担当官が来日しその内容について確認する作業が残っており、その作業を経て「はじめて通関手続きが完了する」段取りとなっている。

 その第1号というべき指定工場は、「全農パールライス東日本の綾瀬工場(神奈川県)。いま全農がどこの産地銘柄をどの程度の数量にするか詰めているところ」とされる。花火を打ち挙げた政府関係者からみれば、可能なら参議院選挙前がベスト。だが、現場からみれば「商業ベースでは合わないし、数量的にも過大な期待はとても持てない」のも当然で、政策と実務とは大きな隔たりがあるのが実態。


- 2007年5月25日 -

販売会議開催、出穂最盛期6/22頃(宮崎コシ)

 宮崎県・県経済連は5月21日、産地に主要取引卸8社を招いて「早期米販売対策会議」を開催した。主催者側から19年産米の生育状況と系統による集荷・販売方針が説明された他、意見交換などが行われた。

 生育ステージは5月15日現在で「分けつ前期〜最高分けつ期」で、平年に比べ2日遅れ。今年は移植時期で差があり、3月移植分は高温で分けつが多いなど進んでいるのに対し、4月分が遅れている。出穂最盛期は順調に推移すれば平年の6月22日頃(昨年は6月28日)と想定、同様に収穫最盛期は7月27日頃が見込まれている。生育に関する問題点は「いまのところない」(県)という。

 県経済連による早期米の集荷・販売目標は▽コシヒカリ=1万7,190トン▽きらり宮崎=132トン▽さきひかり=195トン▽その他=93トンの計1万7,610トン。取扱方針における特徴は「JA米を扱うこと。数量まではまだ提示出来ていない」(県経済連)とされる。

 また、コシヒカリの時期別販売目標は▽7月=7,000トン▽8月=8,500トン▽9月=1,690トン。早期完売に向けた「トップランナーキャンペーン07」を7月20日〜9月20日まで実施。昨年同様に各種賞品が当たる。


- 2007年5月24日 -

19年産米は九州ヒノ含め検討(グルメ杵屋)

 手打ちうどん杵屋などを全国展開する(株)グルメ杵屋(大阪市・住之江区)は、平成19年度3月期の連結決算を発表した。

 売上高は460億99百万円(前期比1.8%減)、営業利益24億61百万円(同12.4%増)、経常利益29億42百万円(同33.9%増)となり、「新規出店について確実なロケーションに絞った戦略。また不採算店は業態転換か退店を進めてきた。その結果、3月決算では減収だが増益となった。また外食業界における安全・安心意識の高まりを受け、仕入先業者の協力を得て原材料のトレース体制の整備を進めた」としている。

 同社グループ(そば専門店そじ坊、洋食専門店ロムレット他)の月間米使用量は約120トンながら、炊き込みご飯などご飯メニューから調達量は増加していく見込み。18年産米では東日本地区は福島中通産を中心とした東北ひとめぼれ、西日本地区が広島県産を中心としたヒノヒカリが使用される。

 西日本地区については台風被害により大分産ヒノヒカリからシフトした形で、19年産米に向けては仕入先卸からの提案、また作柄の推移を見て採用銘柄を選定していく。


- 2007年5月23日 -

PB商品拡大で、原料指定米の調達増も(イオン)

 イオン(株)(千葉県・千葉市)では5月21日、PB商品の開発、仕入を行う新会社3社の準備会社を設立した。ダイエー、マイカルなど将来的な仕入共通化、共同企画商品の開発を目的としたもので、子会社として設立した準備会社は機能や人材の移管を受け8月21日から業務をスタートする予定。

 設立されたのはイオントップバリュ(株)、イオン商品調達(株)、イオングローバルSMC(株)の3社で、PBトップバリュの供給規模の拡大や物流面での共通化を目指す。

 米穀業界への影響では「トップバリュを4年後に現行の3.4倍にするとの計画から、今後の流れ次第では現在の精米アイテムに使用する原料米の調達量が拡大する可能性がある。ジャスコ、ダイエー、マルエツ、カルフールなど各社の基本的な棚割りは変わらないと思われるが、そこに1アイテムでもトップバリュが入れば数字的には大きい」(関係米卸)との指摘が聞かれる。

 現在の18年産米では魚沼コシヒカリ、北海道きらら、青森ゆめあかり、栃木コシヒカリ、滋賀コシヒカリ、岩手あきたこまちななどがPB米として使用されている。


- 2007年5月22日 -

新潟コシ販売、5月上旬は前年並みに回復

 系統の新潟コシヒカリ販売は、4月単月でおよそ2万トン、前年比93%となっている。2月、3月は前年比80%を下回る展開だったが、3月の500円下げで販売推進体制を整え、末端セールなどのキャンペーンも増加したことで、回復基調にある。5月上旬(単月)は前年比99%とほぼ前年並みの水準で推移している。

 一方、4月末の新潟コシ販売累計はおよそ13万トン、前年比86%。これまで下回っていた分を取り戻せるかが今後のポイントで、5月以降は前年実績を上回る進度が必要。産地別は、魚沼100%、岩船110%、佐渡103%、一般81%。遅れている一般も5月上旬(単月)は前年比98%まで回復している。一方、4月末現在の契約ベースは72%。主食向けコシヒカリは政府への売渡分を除いておよそ24万トン。魚沼産は全量契約済み。


- 2007年5月21日 -

予想通り初度入札は落札ゼロ(第3回政府買入)

 5月17日に行われた18年産第3回政府買入れ初度入札は、提示6産地4万5,300トンに対し、4業者が4万5,260トン応札したが、予想通り全量不落札だった。

 今回は、買入条件を超える売渡意向分が対象で、買入予定価格が減額調整されているため価格探りの応札。

 全量が22日に行われる再度入札の対象となったが、こちらでも同様の傾向が予想される。23日から25日まで行われる随意契約での対応となりそうだ。


- 2007年5月18日 -

今期末1,551店で米使用も拡大へ(モスフード)

 ハンバーガーチェーンの(株)モスフードサービス(東京・新宿区)では、平成19年3月期の決算を発表した。

 グループ全体の連結売上高は598億90百万円(前期比102.9%)、営業利益13億80百万円(同59.6%)、経常利益21億90百万円(68.6%)で、「17年4月からスタートした中期3ヶ年経営計画の途中ながら、19年3月期決算としてはやや厳しい結果」としている。平成20年度3月期を目指しての計画では、食材の供給体制について触れ▽主要な食材調達ルートの複数化▽トレーサビリティー対応の強化▽物流体制の整備▽安全・安心対応…が挙げた。

 また外食業界を取巻く経営環境については、「消費者ニーズの多様化に伴って、外食業界の環境は厳しさを増しつつある。今後はますます外食企業間の格差が広がってくることになる」と指摘する。

 同社ではハンバーガー専門店ながら新業態緑モス向けに、“モスのごはんシリーズを”開発・販売するなど米のメニューも提供する。年間の米使用数量は1,200トン規模で、主に関東地区のメーカー2社から仕入れる体制。今期についてもごはんメニューを扱い緑モスへの業態転換を加速させるほか、167店の新店で20年3月期には全国1,551店が予定されており、米の使用規模の拡大が期待されるところ。


- 2007年5月17日 -

第1回SBS、来月8日に実施

 19年度第1回SBS入札が6月8日(金)に実施される。契約予定数量は一般枠2万2,500トン、砕精米枠2,500トンの計2万5,000トン。船積期限9月12日(水)、引渡期限10月29日(月)。

 SBS入札は、このところ砕精米が枠を満たせず一般枠で補充、これに今年は豪州産米の作柄低下の要因が加わる。中国産米の輸入出来るスペースが広がる格好で、これが価格にどう影響するかが注目点と見られる。

 市中では中国産うるち精米が置き場キロ220円絡みで売り打診されるものの、「買い手の多くは215円程度まで」とされ、折り合いが付かない状況。


- 2007年5月16日 -

精米などトップバリュ7,500億円計画(イオン)

 イオン(株)(千葉県・千葉市)では、精米アイテムの充実が進むPBトップバリュについて、4年後の2011年2月期にグループ全体で売上高7,500億円を目指すとしている。2007年2月期の売上高実績は2,200億円で、実現すれば一気に3.4倍規模に拡大することになる。

 同PBにおける精米商品は年々アイテム数を増加しつつあり、現在では魚沼コシヒカリ、特別栽培米グリーンアイ栃木コシヒカリ、滋賀コシヒカリ、岩手あきたこまち、キッチンブレンド(青森ゆめあかり50%+北海道きらら50%)、同無洗米タイプと、1店舗当たり単品、ブレンド商品合計して4〜5アイテムが販売されている。

 トップバリュ精米商品の特徴は価格変動が少ないことで、毎月の定点調査でも魚沼コシヒカリは5キロ3,280円、キッチンブレンドは5キロ1,680円 とほぼ固定化している。イオンが進めるPB拡大計画の進行に伴い、これらの精米アイテムの流通規模も膨らんでくる見込み。また今期中にはグループ各社へPBを供給(開発)する新会社を設立する計画で、ダイエーなどへの波及も考えられる。


- 2007年5月15日 -

合併でどんぴしゃり生産・もち横ばい(JAいわて中央)

 岩手県・JAいわて中央は5月1日、JA盛岡市と合併し、新「JAいわて中央」としてスタート。

 19年産米の品種別作付は概算で▽ひとめぼれ=2,700ha▽あきたこまち=280ha▽どんぴしゃり=1,000ha▽その他=36ha−を見込んでいる。

 地帯別は従来のいわて中央管内でひとめぼれ・あきたこまちなどによる特別栽培が継続され、18年産米に比べるとあきたこまちが約200ha減り、代わりにひとめぼれが増えるという。「あきたこまちはもっと減りそうな状況だったが、需要先との結び付けがあり作付をお願いした」。どんぴしゃりは旧盛岡市地区で限定栽培。

 一方、もち米は固定需要から前年並みの作付で、▽ヒメノモチ=1,740ha▽もち美人=400ha▽こがねもち=50ha。田植えは今週から始まり、15〜20日がピークと予想。異常気象対応で例年に比べ5日〜1週間遅い指導を実施している。


- 2007年5月14日 -

子会社(株)神明ファームを設立

 (株)神明は5月7日付で、子会社(株)神明ファームの設立を発表した。事業内容は農産物の生産、加工並びに輸出入で、本社は神戸の神明ビル内に置く。資本金は1,000万円で、出資比率は(株)神明が60%、岡山農産物販売(株)25%、(有)國定農産15%となっている。

「初年度は岡山県内において、約20ha分を使い米の生産事業に取組む。対象銘柄はヒノヒカリと、みつひかりで、栽培現場に関しては國定農産にお任せする」(本社)としている。同社の事業内容は農産物の生産、加工、販売並びに輸出入としており、「集荷などを含め、幅広い事業展開を実施していく考え」とのこと。

本社所在地は〒650‐0023神戸市中央区栄町6丁目1番21号。支店所在地は〒701‐0221岡山県岡山市339番地。取締役・監査役体制は以下の通り。▽代表取締役=藤田高雄((株)神明専務取締役)▽取締役=浅越芳明(岡山県農産物販売(株)代表取締役)▽取締役=國定豪((有)國定農産代表取締役)▽監査役=吉川和男((株)神明常務取締役)。


- 2007年5月11日 -

JA斐川町、三菱商事と直接契約(島根)

 JA斐川町(島根県・斐川町)と三菱商事(株)(東京・千代田区)はこのほど、19年産米の売買契約を結んだと発表した。同JAが取扱う年間販売数量の10%分にあたる、約500トンを三菱商事に直接販売するというもの。

 今回の契約締結については「当JA産米の品質に高い評価をもらったことと、お互いのタイミングが上手に合って直接販売契約に結びついた。話自体は1年ほど前に浮上したもの」(本所・営農部)としている。

 契約価格や売り先などは19年産米の作柄、市場動向などを考慮して決めていくが、「売り先は大手量販店を始め三菱商事が保有する豊富な販売ルートを通じて西日本中心に販売していく。初年度はコシヒカリ、きぬむすめの2銘柄が主な対象となっていく」(同)見込み。

 同JAは島根県内の南部に位置し、コシヒカリを主力にきぬむすめ、ハナエチゼンなど年間約8,000トン余りを生産している。19年産以降の考え方として「地球温暖化の影響が主力銘柄のコシヒカリに出始めており、きぬむすめの生産数量を拡大していく。県全体でも同様な動きにある」(同)とのこと。


- 2007年5月10日 -

発芽米3割増の7,800トン計画(ファンケル)

 (株)ファンケル(横浜市)における発芽米事業の20年3月期売上計画は前年比0.8%増の48億円。数量ベースは販売価格の2割値下げに伴い、発芽米原料換算で3割増の7,800トンを見込んでいる。

 19年3月期は前年並みの6,000トンだった。販売比率は▽発芽米=6割▽おいしい発芽米 ふっくら白米仕立て=3割▽おかゆなど加工食品=1割。なお、希望小売価格は発芽米950gで735円。8日調査のダイエー(さいたま市)ではセールで648円で売られていた。


- 2007年5月9日 -

丸紅、マルエツでプレミアムひとめ本格販売

 丸紅(株)では首都圏で店舗展開する食品SMマルエツにおいて、宮城県と全農宮城県本部が共同開発した「プレミアムひとめぼれ・みやぎ吟撰米」の本格販売をスタートさせている。

 発売初年度の売上予定は小売りベースで2億円。精米は同社が51%出資するミツハシ・丸紅ライス(株)が担当する。販売価格は2キロ1,180円、5キロ2,380円。マルエツでは「みやぎ吟撰米は以前から数店舗での販売事例はあったが、4月中旬からは首都圏の全店を対象に販売を拡大させた」(広報部)としている。

 プレミアムひとめぼれは、玄米整粒歩合85%以上、玄米粒厚1.9?以上など、独自の生産基準が設定された高品質米の位置づけ。マルエツが掲げる「アウトスタンディングバリュー(突出した価値)の創造」との商品開発方針にマッチしたとされる。

 マルエツは東京52店、神奈川38店、千葉48店、埼玉51店など首都圏合計191店を展開している。また同商品はグループのFoodexpres、サンデーマートでも取扱う。


- 2007年5月8日 -

「(株)米心石川」、7月1日に設立(石川・米卸統合)

 (株)パールライス石川、石川県米穀(株)、北陸中央食糧(株)は、石川県内の米穀卸一本化に向けて昨年8月から協議を進めてきたが、今年7月1日付けで石川県米穀(株)の関連会社・石川県炊飯(株)を加えた4社が経営統合、新会社「(株)米心石川(べいしん・いしかわ)」を設立することを発表した。統合後の取扱目標(平成20年度)は、数量約3万トン、取扱高約110億円(うち炊飯部門20億円)、精米ブランド名は「マイハート」とする。

 統合の形態は、パールライス石川が存続会社となり、6月30日に石川県米穀、北陸中央食糧、石川県炊飯から営業権等を譲受。従業員数280名を引き継ぐ。3社は譲渡後に解散する。資本金は2億6千万円。パールライス石川の資本金が1億円のため、1億6千万円を増資する。増資後の出資比率は、パールライス石川40%、県下のJAグループ20%、納入業者など取引先(神明等)20%、役員・従業員など持ち株20%となる予定。新体制の人事は、6月29日の株主総会・取締役会で決定、公表の運び。

新会社の所在は、石川県金沢市松島1丁目1番地(現パールライス石川と同じ)。高品質の石川米を提供するため、最新鋭の新精米工場を来年7月までに現工場の敷地内に建設。同時に、炊飯工場も同じ敷地に建設する。新精米工場、炊飯工場が完成するまで、石川県米穀の施設で事業を行う。


- 2007年5月7 -

発芽米売上47億6千万円(ファンケル)

 (株)ファンケル(横浜市)は5月1日、19年3月期の連結決算を公表。米穀関連の発芽米事業は売上高が47億6千万円(前連結会計期間と同じ会計基準の場合は45億6千万円)で、前年に比べ4.6%増(同0.2%増)となった。

 上期は健康情報テレビ番組に取り上げられたことで伸張したが、下期はふるわなかった。20年3月期の売上計画は0.8%増の48億円。

 数量ベースは4月から「発芽米」「おいしい発芽米 ふっくら白米仕立て」の販売価格を20%値下げしており、価格(0.8%)以上の増加になるという。なお、全体の連結業績は1,010億6千5百万円(前年比6%増)。


- 2007年5月2 -

米穀などPB商品シェアが45%に(パル連合)

 パルシステム生活協同組合連合会では、06年度(2006年4月〜2007年3月)における食品部門のPB商品受注高が前期比75億円増の594.2億円となった。食品部門全体に対するPB商品シェアも44.9%(前期43.4%)に達した。

 同連合では「PB商品は当会を代表する商品。品質はもちろん環境負荷の低減においても組合員に対して貢献する商品」としており、産直米(エコ・チャレンジ米)を始めとして毎年のように新商品を投入している。今期2007年度においてはPB商品シェア60%を目指す。

 精米商品については北海道ほしのゆめ、青森つがるロマン、秋田あきたこまち、新潟コシヒカリなど、全アイテムが環境保全型農業などにこだわったPB商品。銘柄別の人気ランキングは第1位コシヒカリ、第2位あきたこまち、第3位ひとめぼれ、第4位ほしのゆめ、第5位はえぬき、第6位きらら、第7位つがるロマンとなっている。


- 2007年5月1 -

加工用米不足分3千トン、新規にシリアル用(弁済米)

 17年産現物弁済米の販売用途は(1)加工用米不足=18年産米対応(2)原料代替=輸入米粉代替等(3)新規用途=米粉パン・学校給食(パン食代替)等(4)個別対応=1〜3以外−の4枠で考えられている。

 このうち味噌・米菓・米穀粉需要者等が18年産加工用米不足枠で米穀機構に申し込んだ数量は製品ベースで3千トン。売買契約は需要者と米穀機構で行うが、受渡・代金決済業務は米穀機構から全農・全集連が委託。全国団体は対応の準備を進めており、需要者サイドが今期の加工用米の買い受けが終われば、5月にも弁済米の販売が始まる見通し。

 また、新規用途としてはシリアル用が国から承認を受けたことで、今後の入札で新たに加わることになるようだ。個別対応は飼料用で販売が行われている。

 4月26日の今年度第2回入札は、1業者による1台(10.8トン)の申込があったが、落札はなし。なお、4月入札は電子とペーパーによる併用だったが、5月からは電子入札に一本化される。今回の入札は1業者のみだが、電子入札で行われた。登録業者は17社。前記の通りシリアル用が実施されれば、新たに登録をするところが出てきそうだ。


- 2007年4月27 -

第一屋製パン、カネ美食品に米飯等事業を譲渡

 第一屋製パン(株)(東京都大田区、資本金2,402百万円)は4月25日、米飯等事業をカネ美食品(株)(愛知県名古屋市)に事業譲渡する基本合意書の締結を決め、同事業から徹底することを公表した。コアビジネスのパン事業に経営資源を集中し、採算性の向上を目指すのが狙い。

 第一屋製パンは、一部工場と子会社の(株)フレッシュハウス(東京都小平市、資本金400百万円)でコンビニなどへの弁当・サンドイッチ等の供給を主業務とする米飯等事業を展開していたが、業績の低迷で徹底を決めた。

 同社の連結決算(18年12月期)では、売上高56,629百万円(営業利益▲1,518百万円)のうち、米飯等事業は売上高12,711百万円(営業利益▲597百万円)だった。全国6カ所の工場のうち松戸工場(千葉)と(株)フレッシュハウスの三田工場(兵庫)の事業・資産譲渡についてカネ美食品(株)との間で基本合意者を締結、今後具体的な交渉を行う。譲渡予定日は6月25日。2工場以外は順次閉鎖、売却する方針。

 カネ美食品(株)は、資本金2,002百万円、従業員1,076人(18年3月31日現在)。事業内容は、寿司・揚物・総菜等の小売店舗の展開、コンビニ弁当の製造・販売。関東、関西地区における商品供給力の強化を図る。譲受対象事業の経営成績(18年12月期)は、松戸工場が売上高1,859百万円(営業利益▲218百万円)、三田工場が売上高1,753百万円(同▲64百万円)。


- 2007年4月26 -

田植えペース早め、コシ以外の作付増(徳島)

 徳島19年産早期米の田植えは、早場地区のかいふ管内で「ほとんど終わった。例年に比べ暖冬で4〜5日程度早い」(関係者)とされる。

 業者筋も「県央部はゴールデンウィークに行われるのが、既に1割程度は始まっている。1週間程度早いのではないか」と話す。田植え後は寒さが戻り足踏みした時期もあるが、両者とも問題なく推移しているという見方。

 品種はコシヒカリ以外の作付が若干増えそうだ。「コシヒカリとそれ以外の価格差(系統の集荷)が縮まっており、作り易さや収量などを考慮すれば日本晴などへの転換が考えられる」(業者)。JA関係者はハナエチゼンが増えたと見ている。なお、JAかいふは19年産米から種子消毒を止め、温湯対応に切り替えている。


- 2007年4月25 -

減反強要、「直売ルール」も問題に(農協ガイドライン)

 公正取引委員会が先週公表した農協ガイドラインでは、生産調整やコメの農協直売に関連した単位農協や全農など連合会の行為について、独禁法に抵触するおそれがあるとの指摘があり、今後コメの生産・流通に大きな影響が出てくるかもしれない。

 生産調整については、農協内で不参加者に対して差別的な扱いをし、コメ作りを困難にさせる場合には違法となるおそれがあると指摘している。これに対して、農協系統からは「農業者個々に公平な負担を求めるため」農協利用の差別化が必要と反論している。公取委では個々のケースを「市場の競争に与える影響から」判断するとしている。

 単位農協のコメ直売に関連するものとしては、ひとつは(1)連合会が単位農協に対して系統利用を強要するような行為、(2)単位農協が共同して価格や数量の制限などを行うこと(カルテル)、(3)連合会が米卸に対して農協などと直接取り引きしたことを理由として取引条件を差別すること、などは独禁法上問題となりえるとの考え方を示した。


- 2007年4月24 -

7周年のJAこまち籾発芽玄米(東京マイコープ)

 生活協同組合東京マイコープでは4月の販売企画として「JAこまち籾発芽玄米が7周年を迎えました」と販促PRを実施している。

 商品は秋田県湯沢市のJAこまちが製造したもので、あきたこまち100%使用で価格は1キロ税込み980円、2キロ1,900円。「食物繊維は白米の6倍以上、ギャバは白米の20倍以上、マグネシウムは白米の5倍以上、カルシウムは白米の2倍以上」と“自然発芽効果”を前面に出す。また籾発芽玄米を25%使用した「稲庭古来うどん」400g955円も販売。

 マイコープ東京はパルシステム生活協同組合連合の会員生協で、JAこまちの「エコ秋田あきたこまち」を始め、パル連合の精米商品を広く扱っている。


- 2007年4月23 -

3月販売は1万9千トン(政府米)

 農水省は4月20日、3月分の政府米販売数量を1万9千トン(速報値)とまとめ公表した。

 買入数量との見合いで提示数量が削減されているため販売数量は減少傾向だが、これまでの入札で落札済みの数量が2万3千トン(4月以降の引取残)余り残っている計算。

 昨年7月からの累計で21万1千トン(前年同月比+8万9千トン)が引き取られた格好。今後、5〜6月にも合計で2万トン程度がメニュー提示される予定。


- 2007年4月20 -

恒例の19日セールの4月はお米で(東急ストア)

 首都圏中心に店舗展開する東急ストア(プレッセ業態含む)では、19日に「毎月19日は東急ストアの日!」として各部門で拡販セールを打った。

 都内西部店舗においては精米商品が精肉と共に指名され、「お米商品はすべてレジにて20%引き」の企画が実施された。通常では魚沼コシヒカリ5キロ4,280円、新潟コシヒカリ同2,480円前後の価格水準で、20%引きなら魚沼コシヒカリは3,424円で購入出来る。

 また19日セール終了後の20日〜23日の3日間も、無洗米新潟コシヒカリと新潟岩船コシヒカリが5キロ1,980円、“よりどり2袋”3,880円で提供と、米のセール企画が続く。同店は東京都内が52店、神奈川35店、千葉6店、埼玉3店、茨城1店、静岡3店と合計100店(18年2月末現在)が展開されている。


- 2007年4月19日 -

悪い見本「コメ先物の否認」(経済財政諮問会議)

 経済財政諮問会議(議長・安部首相)は4月17日、第8回の会合を開き金融・資本市場のグローバル化改革について話し合った。この案件についての諮問会議の問題意識は、日本は世界的な金融革新のなかでニューヨーク、ロンドンなどに比べ遅れており、金融・資本市場の競争強化のための改革を「できるものから実行に移すべき」というもの。

 商品取引所の抜本改革では、上場商品は主務大臣の認可が必要とされていることが障害となった例としてコメ先物の否認が指摘され、主務大臣認可そのものを廃止してはどうかという案件も含まれている。

いつものように、こうした改革案に対しては各省庁の抵抗が予想されるが、コメの先物取引は農林水産大臣が上場を認可する最後の商品になるかもしれない。


- 2007年4月18日 -

18年もち持ち越し、産地別に変動も

 全国出荷団体による18年産もち米は第3回年間契約が終了、産地サイドも年度内に販売出来る自県数量の予測がほぼ立つ段階となった。某主産地は「スポットの申込みがポツポツ入ってきている。18年産米の持ち越しは、前年の半分とまではいかないが下回る見通し」という。

 スポット取引+県内販売比率90%以上等の産地数量を前年度と同程度に仮置きすると、全国ベースの持越数量は17年産米(1万1千トン)と同規模の予想。産地別数量は、作柄の変動要因も加わり前年と変わりそうだ。

 需要者は20RYの申込みを行う際に、古米となる18年産米の産地動向も重要なこと。九州産ヒノヒカリは少なくなる可能性が高い。一方、17年産米は「今年10月末の引取条件で、自県分の結び付けは終わっている」(前記産地)。


- 2007年4月17日 -

南国そだち500トン集荷計画、JA米対応(高知)

 全農高知県本部によると、19年産早期米は南国そだちの作付を120haに拡大、集荷数量は500トン(18年産米実績160トン)で計画している。18年産米は数量面でテスト的な扱いになったが、買い手サイドによる食味評価は高かった。

 19年産米は数量が約3倍に増え、取扱い卸も広がることになるため、行政と連携して研修会を開くなど良食味米の生産に取り組んでいる。また、南国そだちはJA米対象になることが特徴で、「できることから行っていく」考え。

 一方、コシヒカリの集荷計画は8,500トン、ナツヒカリ800トン。田植えは南国そだちが終了、コシヒカリは高知・南国市で8割方が終わっている。「コシヒカリは暖冬の影響で平年に比べ4〜5日早いペース」(県本部)といわれる。


- 2007年4月16日 -

富山67号、「てんこもり」に決まる

 富山県のオリジナル水稲品種・富山67号の名称が「てんこもり」に決まった。今年1月に一般公募、延べ1909点の中から選考。「てんこ」は富山弁で、てっぺん、頂という意味で、おコメのてっぺんになって欲しいという願いが込められている。品種登録、商標登録を申請中。

 系譜は、「富山36号」(短稈、良食味)と「と系1000」(短稈、高品質)の交配で、いずれも3代前にコシヒカリが掛け合わされている。コシヒカリと比較して、成熟期は7日程度遅く、収量性・玄米品質は上回り、食味は同程度。

 同品種は、倒れにくく収量も安定しているため直播栽培にも適し、気象変動のリスク回避や大規模生産者の作業分散・低コスト化に対応する品種として期待されている。早生「てんたかく」、中生「コシヒカリ」と合わせた3本柱に育てたい意向。

 18年産では「富山67号」で銘柄設定されており、2月末の検査実績は35トン、全量1等に格付けされた。19年産の作付見込みは100ha程度。「栽培技術の確立と市場評価を得たい」(県農産食品課)としている。


- 2007年4月13日 -

弁済米入札、43トン全量落札

 米穀機構は4月12日、現物弁済米による19年度第1回入札(5回目)を実施。3業者から4口・43.2トンの申込みがあり、全量が落札された。3回目以降は連続の落札で、価格水準はほぼ安定しているようだ。

 落札3業者のうち2業者が2回目の落札となっており、手当ても「2巡目に入った」ことから定期的に購入するところも出始めている。

 また、今回から電子入札システムが導入されており、申込みはシステムを利用するところと従来のペーパーによるものがあったという。なお、飼料用にも5トン販売されており、現物弁済米の販売量は100トン程度となっている。


- 2007年4月12日 -

1〜2カ月内にラニーニャ現象発生(気象庁)

 気象庁は4月10日、「今後1、2月カ月の内にラニーニャ現象が発生する可能性が高い」と公表した。同現象が発生している時の日本の夏天候は、(1)東・西日本の気温が「平年並み〜高い」(2)東・西日本太平洋側と南西諸島の降水量が「平年並み〜多い」−となる傾向がある。

 過去のラニーニャ年の水稲作況は、8勝(102以上)4負(98以下)4分(99〜101)、平均作況102となっている。

 同庁の定義では、エルニーニョ監視海域(北緯5度〜南緯5度、西経150度〜西経90度)の海面水温の基準値との差の5カ月移動平均値が6カ月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、6カ月以上続けて−0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。エルニーニョ現象は冷夏をもたらす傾向がある。


- 2007年4月11日 -

商業用の国内産輸出、12月末で810トン

 18年度における国内産米の商業用輸出は、4月〜12月累計で810トンと、前年度実績の760トンを上回っている。

 台湾、香港、シンガポール等の東アジア地域における経済発展を背景に裕福層が増加し、日本食が普及・定着しつつある。

 農水省調べによると、台湾で新潟産コシヒカリ156トン(キロ760〜820円)が小売販売・弁当総菜等に加工スーパーで販売された事例や島根産の減農薬ヘルシー元気米が5.6トン(キロ750〜800円)が裕福層向けに百貨店で販売された事例、また香港では新潟産コシヒカリ・福島産ひとめぼれ等が27トン(キロ1,000円)百貨店で販売、米国では栃木産コシヒカリ39トン(キロ550円)が現地消費者向けに量販店で販売された事例がある。


- 2007年4月10日 -

4〜6月上場、期別は11日の秋田こまちのみ?

 コメ価格センターの18年産四半期内(4〜6月)の上場申出は4月6日現在、通年取引の青森むつほまれ(青森集荷)480トン、期別取引の秋田あきたこまち(全農)245トンの計725トンのみとなっている。今後、期別取引への上場は不透明で、このまま終了する可能性もありそう。

 また継続実施が伝わる定期注文も新潟など一部産地は見送る方針で、申出産地や数量は縮小する公算が大きくなっている。ホクレンが定期注文方式での上場を8月まで予定しているものの、4月以降はスポット的な入札にとどまりそうだ。

 期別取引に上場を申出した秋田産あきたこまち(全農)は、4月11日の入札に上場する245トンのみ。通年取引に上場される青森むつほまれも、当初の4〜6月計画648トンから480トンに削減。月別上場計画は4月25日240トン、5月30日240ントン、6月なし。月1回上場の最低ロット20口条件をクリアできないことが理由で、年間上場計画は2,088トンから1,920トンとなった。


- 2007年4月9日 -

加工米不足用弁済米、キロ135円に決まる

 米穀機構は4月6日、加工需要者4団体に対し、18年産加工用米不足枠対応の17年産現物弁済米の販売条件を説明した。需要者サイドによる申込みは「特に日程は定めてない。速やかにお願いしており、早ければ月内にも供給が始まる見込み」としている。

 加工用米の販売と異なる点は(1)販売形態=変形加工品のみで、丸米はなし(2)最低受渡(着日別・持込先別)ロット=4.02トン(3)受渡期日=19年10月末日。引取の完了で、加工用米のように一括決済を行った後も、売り手サイドに保管してもらうことは不可。

 その他は▽販売価格・形態=紙袋による変形加工品でキロ135円(指定場所前渡し、包装込み)▽開始時期=19RYの加工用米(うるち変形品)の買い受け完了後▽違約金=60kg当たり5千円など。


- 2007年4月6日 -

2月のMA米販売1万8千トン

 2月のMA米販売は速報値で1万8千トン(前年1万1千トン)。昨年11月以降は前年同期に比べ6割前後上回っており、定例販売の成約状況から3〜4月需要分もハイペースが続くものと見られる。

 また、年度の古い12〜14年度玉は飼料用に販売が始まっている。14年度玉は定例販売における成約量が最も多く、提示がいつまで続くかが焦点の一つ。

 飼料用の処理進度を適宜確認しながらとされるが、「来月なくなるとかいうことはない。国内産備蓄米のように主食に向けられないものを販売しているわけでなく、MA米は加工用に品質対応出来る」(農水省)としている。


- 2007年4月5日 -

花粉症緩和米、医薬品として開発再スタート

 スギ花粉症の症状軽減を目的に開発が進められていた「花粉症緩和米」について、厚生労働省が「花粉症緩和米は医薬品に該当する」との最終判断を示したことから、農林水産省は食品としての開発を断念、今後は医薬品として開発していくことを決めた。

 「花粉症緩和米」は農水省所管の独立行政法人・農業生物資源研究所(茨城県つくば市)が、日常の食生活のなかで花粉症の症状を軽減することを目的に、遺伝子組換え技術を用いて開発を進めていたもの。マウスやサルでの安全性試験を終え、食品としての実用化研究に入る段階で、4月3日には「動物の経口摂取では異常は認められなかった」との安全性評価試験の結果も公表されている。しかし、今年1月、厚労省から「花粉症緩和米は治療を目的にしており医薬品として扱うべき」との最終判断が出たため、医薬品としての開発に方向転換を余儀なくされた。

 農業生物資源研究所では、「医薬品としての臨床試験に必要なデータ収集など、一から再スタートとなる。当初は食品として2010年を目途に実用化したいと考えていたが、今後は2014〜15年を目標に開発を進めたい。コメの形状での医薬品は前例がなく、基準づくりから始めなければならない。商品の形態としては他のコメと混入しないよう、包装米飯のような形での開発も検討する」としている。


- 2007年4月4日 -

宮崎早期米、若干減の9,256ha見込み

 宮崎県がまとめた19年産早期米の田植え進捗は、3月31日現在で81%と、ほぼ平年並みのペース。

 地帯別は▽南那珂=ほぼ100%▽中部(宮崎市など)=83%▽児湯=81%▽東臼杵=10%。作付見込みは9,256haで、18年産実績(9,340ha)に比べ若干減。

 ちなみに18年産早期米は作況100、収穫量4万4,100トンだった。


- 2007年4月3日 -

恵方寿司効果等で米飯類はプラス(2月コンビニ)

 (社)日本フランチャイズチェーン協会がまとめた2月のコンビニエンスストア調査統計によると、既存店ベースでの来店客数は8億3,993万人と3カ月連続増となったが、売上高は4,938億円と客単価ダウンの影響で8カ月連続マイナスとなった。

 ただ寿司、弁当、おにぎりなど米飯類の日配類は構成比36.3%と、前月から0.2%プラスとなっており、「個別商品の動向としては節分の日に食べる恵方寿司(かぶり寿司)が好調であった」と分析されている。

 この恵方寿司については(株)セブンイレブン・ジャパン、(株)ローソン、(株)ファミリーマートなど同協会の会員各社とも、昨年末12月の早い時期から予約受付をスタートさせるなど積極販売が目立っていた。

 また関西の某外食企業でも「グループの宅配寿司チェーンにおける恵方寿司の販売規模は、2年前から6倍にまで増加した。関西発商品がここまで浸透するとは驚き」(商品部長)とする。


- 2007年4月2日 -

飛騨高山産ひとめを使用(ファミリーマート)

 (株)ファミリーマート(東京・豊島区)では4月3日〜16日の期間、東海地区の680店舗を対象に「飛騨高山フェア」を開催する。観光スポットとして人気の飛騨高山地区に着目したもので、飛騨高山産ひとめぼれを使用した牛めしなど地元の食材が広く使われる。

 同社では「商品戦略のひとつとして、地域に根ざしたリージョナルマーケティングを推進している。今回も地産地消の考えから地元の食材、名物を使用した全8アイテムの商品を展開していく」としており、▽飛騨高山ひとめぼれ・飛騨牛おにぎり178円▽飛騨高山ひとめぼれ飛騨牛めし980円など“地元米使用”を強くアピールする。

 今回のフェアは愛知県、岐阜県、三重県、静岡県と東海地区限定の企画。


- 2007年3月30日 -

18年産・未検が増、17年産が減(2月末卸在庫)

 コメ卸(旧登録)在庫は2月末現在で29万8千トンと前月末とほぼ同水準となったが、年産別の在庫内訳では17年産が1万トン程度減少する一方で、18年産と未検米が各5千トンずつ増加している模様。16年以前産は、それぞれ横ばい。16年産は2万トン以上を確保している。

 年産別の在庫水準は、▽18年産=19万トン強▽17年産=4万トン強▽16年産=2万4千トン▽15年産=2千トン▽11年産=1千トン▽10年産=1千トン▽未検米=3万5千トン−程度と見込まれる。


- 2007年3月29日 -

青森まっしぐら取扱い1,700トン(東光食糧)

 東光食糧(株)(神奈川県・川崎市)では18年産青森まっしぐらの販売について、「ここまでは非常に良い手応えを感じている。量販店向けの主食精米販売、寿司、弁当用の業務向けを合わせ、今年産では約1,700トンの販売を予定している」(米穀部)としている。

 まっしぐらは全農青森県本部が“ポストゆめあかり”として業務用主体に販売を進める品種で、ゆめあかりに比べて収量性のほか食味や耐病性でも優るとされる。

 東光食糧でも「18年産米では業務向け販売の比率が高く、19年産米では量販店店頭で今以上の消費者の認知度向上を目指す」(同)とのこと。現在のところは東急ストア(プレッセ業態含む)で、無洗米タイプ2キロ、5キロ袋の2アイテムが販売されている。5キロ袋の定番価格は2,280円。


- 2007年3月28日 -

新潟コシセール「出足は好調」(関西地区)

 関西地区の末端販売では先週21日から新潟コシヒカリの5キロ1,880円〜2,080円セール事例が増加し、「久々のセールで25日までのデータでは数量は稼げている」(大阪府内卸)との指摘が聞かれる。

 廉価販売では定評の関西マーケットだが、今月中旬までは秋田こまち、青森つがるロマン、福井ハナエチゼンなどの指名が多く、「新潟コシヒカリは2,480円〜2,580円が一般的で、消費者も買い控えていたような感触。今回のセールでは500円玉1個分は安く、新潟コシヒカリのファンの購買意欲を喚起したようだ」(同)。同じ売場では1,680円〜1,780円の銘柄米も並ぶが、「今までと比べて出足は良い」とする。

 一方、首都圏地区においてもジャスコ、東急ストア他の店頭において、先週末から1,980円前後のセールが打たれ始めており、「データはまだだが期待している」(都内卸)という。


- 2007年3月27日 -

震源地周辺は荷崩れや出庫停止も(能登半島地震)

 3月25日に発生した「能登半島地震」は、26日14時現在で「営農施設などの被害状況は調査中。震源地周辺の保管倉庫で荷崩れが出ているが、倒壊などの被害は聞かれていない」(石川県本部米穀課)とされる。

 現在、道路の交通止めや余震が続いており、能登地区からの出庫はストップしている。なお、県本部の精米施設の被害は出ていない。

 25日に、七尾市、輪島市、穴水町で震度6強、志賀町、中能登町、能登町で震度6弱を観測。北陸農政局は同日、災害対策本部を設置した。


- 2007年3月26日 -

カレー向き新品種「華麗舞」契約栽培(ハウス食品)

 ハウス食品(株)は、カレーに合う新品種「華麗舞(かれいまい)」を契約栽培で生産し、キャンペーン等に活用していくことを明らかにした。新品種普及の新たなルートとして注目される。

 同品種は、インディカ米の「密陽23号」とジャポニカ米の「アキヒカリ」を交配したもので、「育成を進める農業・食品産業技術総合研究機構からの紹介で、当社も参加してカレーに馴染むコメとして研究を進めてきた。コシヒカリに比べ粘りが弱く、ルーが絡みやすい」(ハウス食品(株)広報室)。

 今年度から新潟県妙高市の生産農家と栽培契約を結び、「初年度3ha、15トンを全量買い取りすることで栽培をお願いした」(同)という。収穫した米は、夏から秋にかけてのカレー製品の販売促進キャンペーンを対象に、景品などでアピールする企画案を検討しているとのこと。

 カレーは“国民食”と言われるほど馴染みの深い食品で、「家庭用カレールーの国内生産規模は、金額ベースで610億円で成長中」とされる。


- 2007年3月23日 -

山形・西川町が会社設立、発芽胚芽米販売へ

 山形県西川町では地元のコメを原料にした発芽胚芽米の販売を始める。

 製造・販売するのは農業法人・(株)米月山(西川町吉川)で、同町の他に西川町総合開発・山本製作所・さがえ西村山農協・地元農家が出資しており、3月15日に創立総会(登記は22日)が行われた。「4月中に試験稼働に入るが、取引先に本格的に出せるのは5月の連休明けから」(西川町)としている。

 2007年度の販売は217トンを計画。インターネット・小売向けなどを始め、関東圏での販売を目指して主食卸との取引を進めている。原料米は全てはえぬきで、発芽胚芽精米100%(希望小売価格1キロ950円)とブレンド品(発芽胚芽米1:精米2、2キロ1,280円・5キロ3,000円)の2種類を扱う。問い合わせは同町・振興課(電話0237−74−2113)まで。


- 2007年3月22日 -

純情米いわて、宮古雑穀協組が事業統合(岩手)

 (株)純情米いわて(盛岡市/川畑俊三社長)と宮古米雑穀協同組合(宮古市/玉沢福男理事長)は3月19日、コスト削減や米流通の集約化などを目的に事業統合の調印を行った。調印式は盛岡市内の県農協5連ビルで行われ、全農岩手本部の小林本部長を立会人に協定書が取り交わされた。

 今回の件について純情米いわてでは「以前から統合を目指しておりようやく実現した。統合後は宮古米雑穀協同組合の米穀販売は、当社が合わせて行っていく形となる」としている。

 純情米いわては2002年に旧岩手県経済連パールライス部と、県内卸の水晶米いわてが統合して誕生した。一方、宮古米雑穀協同組合は1950年に設立され、主に沿岸部を中心に事業展開していた。4月1日の統合事業スタート後は、不動産管理団体として当面存続する。


- 2007年3月20日 -

07年産豪州米、収穫量約10万トンで確定

 早いところでは既に収穫が始まっている2006−07年産のオーストラリア米。潅漑用水の不足により、作付面積は1万2千haトンまで落ち込んでいたが、先頃発表されたオーストラリア農業資源経済局(ABARE)の作物レポートでは「収穫量は前年対比90%減の10万6千トン(籾ベース)」と予測されている。

 オーストラリア・ライスグロワーズでも「10万トン前後でほぼ確定と思って間違いない。大半が中粒種で短粒種は全体の約2%、つまり最大でも2千トンレベル」としている。その短粒種も「豪州の国内需要が優先で、どこにどれだけ振り分けるか検討中」のため、日本向けの余力があるかはまだ未定。

 18年度分ではSBSで短粒種が6,898トン輸入されているほか、一般MAでは中粒種3万3,080トンが落札されており、こちらの枠縮小も避けられない状況。


- 2007年3月19日 -

合併でコメ扱い2万6千トンに(JAいわて中央)

 岩手県・JAいわて中央は5月1日付けで、JA盛岡市と合併する。新JAの名称は「JAいわて中央」で、本所も旧来のいわて中央の紫波郡紫波町で変わらず。

 コメの取扱量は「盛岡市分が4千トン程度加わるので、2万6千トン規模」(関係者)に拡大する。いわて中央はもち米の取扱量が1万トン強あるが、盛岡市はもち米を扱っておらず、増えるのはうるち米。「うちはひとめぼれを主体に、一部あきたこまちという品種構成で進めてきた。盛岡市は18年産米の95%程度があきたこまちだったが、19年産はどんぴしゃりを大幅に増やすと聞いている」とされる。

 また、裾物の需要が強いことや業務用向けを考えると、どんぴしゃりなどが加わることは、販売手法がより増えるとの見方も。なお、管内は紫波町・矢巾町・玉山区を除いた盛岡市が該当することになる。


- 2007年3月16日 -

2月末の検査累計459万4千トン、前年比96%

 農水省がまとめた2月末現在における18年産米の検査実績は、2月単月で12万9千トンが積み上がり、459万4千トンとなった。17年産比96.4%、16年産比102.2%。

 種類別の内訳は、水稲うるち433万3千トン、醸造用7万4千トン、水稲もち18万7千トン、陸稲もち7百トン。

 水稲うるちの等級比率は、1等78.3%、2等17.5%、3等2.3%、規格外1.8%。1等比率は前年同期より3.7ポイント高い。2等以下への格付け理由は、充実度24.7%、着色粒20.4%。


- 2007年3月15日 -

金芽米使用の弁当3万食限定販売(ファミリーマート)

 (株)ファミリーマート(東京・豊島区)では3月27日〜4月2日の期間限定で、トーヨーライスの金芽米をご飯に使用した「匠のごはん(三段重)」第2弾を販売する。商品は全国のファミリーマート約6,600店舗((北海道、宮崎、鹿児島、沖縄除く)において、3万食限定での販売を予定しており20〜23日には予約も受付ける。

 ご飯に金芽米を使った点については「当社では従来から金芽米を使用したおにぎりの販売を継続中で、その実績からも今回の高級弁当への採用を決めた。食味、ブランド価値とも非常に好評を頂いている」(広報室)としている。

 商品は同社の商品政策軸のひとつとされる“ジェネレーションマーケティング”の一環として、40代〜50代の壮年層向けに開発されたもの。弁当は三段重で「素材の産地や製法、味付けのひとつひとつにこだわり、季節を意識した商品開発に取組んだ」として、北海道産いくらのみぞれ和え、東北産黒毛和牛の牛ごぼうなどを商材に使った贅沢な内容となっている。価格は税込みで980円で、「12月の第一弾と同様に壮年層の客層拡大を目指していく」としている。


- 2007年3月14日 -

集落営農1万2千、品目対策加入は半数へ(農水省)

 農水省はこのほど、19年2月1日現在の集落営農実態調査結果を公表。集落営農数は1万2,095で、前回調査の18年5月1日に比べ1,614増加した。

 農業地域別で見ると、九州・東北が大幅に増え、九州が2,396とトップになった。集落営農の活動内容(複数回答)は「作付け地の団地化など、集落内の土地利用調整」が7,344と最も多く、次いで「農業機械を共同で所有し、参加する農家で共同利用」など。

 また、品目横断的経営安定対策への加入は▽加入済み=3,545(昨年9〜11月に申請を受け付けた秋まき麦)▽加入予定=2,109の計5,654が見込まれており、集落営農数に対し46.7%となっている。

 加入予定を含めた地域別は、関東・東山が65.5%と最も高く、逆に一番低率なのが北海道の19.1%。対策に係わる5要件は「規約・定款を作成している」を始め、全項目で着実に増加している。なお、コメなどの加入受付期間は今年4月1日〜6月30日。


- 2007年3月13日 -

政府米売買システム、新年度から電子取引へ

 農水省総合食料局は、政府米の売買システム(国産米、MA米・SBS米)を合理化するため、電子取引に移行する考え。

 試験運用などチェックを踏まえ、新年度4月以降の早い段階に切り替える方針で、買受業者に説明を始めている。

 当面は現行手法とインターネットを併用する形で運用される見込みで、事務作業が増えそう。国産米の売渡しについては今春でのシステム運用は難しく、出来秋からとなる見通し。


- 2007年3月12日 -

農業用ダム貯水量は平年並、渇水情報連絡会(農水)

 農水省は3月8日、「農業用水渇水情報連絡会」(会長:農村振興局長)を開催した。記録的な暖冬で全国的に降雪が少なく、特に北日本、東日本、西日本の日本海側の降雪量は1961年の冬以降、最も少ない記録となったことに対応したもの。今後の気象や農業水利状況など地域の状況について省内関係課の情報共有や農政局など関係機関との連絡を密にして、営農の本格化に備えて対応する考え。

 3月1日現在における主な農業用ダムの貯水率は、概ね平年並み。平年比100%以上が7割、80〜100%が2割、80%未満が1割。80%未満のダムもほとんどが補修等の理由で一時的に水位を下げているもの。

 暖冬・少雪だったことから早くも19年産作柄を心配する声も出ているが、今後の降水量や重要な生育ステージの天候が大きく影響する。現状での思惑はまだ早い。なお、上記の少雪年1961年の水稲作況は、全国102、北海道115、秋田105、新潟103、島根104−だった。暖冬だけでなく、少雪も水稲の豊凶との相関は見られない。


- 2007年3月9日 -

東北177号、東北181号を奨励品種に(宮城)

 宮城県は先頃、主要農作物品種審査会を開催して、水稲の奨励品種に「東北177号」と「東北181号」の採用を決定した。また作付けの少なかった「やまうた」「こころまち」「こいむすめ」「春陽」「はぎのかおり」は廃止する。

 奨励品種に採用された「東北177号」は宮城県古川試験場において、「峰ひびき」を母、「こころまち」を父として育成されたもの。特性は「こころまちと比較して出穂期は1日遅い“早生の晩”で、耐冷性は極強、いもち病抵抗性は強、収量性と食味はやや優れ、山間高冷地帯、西部丘陵地帯及び三陸沿岸地帯に普及が見込まれる」とする。

 「東北181号」は「はたじるし」を母、「東810」を父して育成されたもので、特性は「こころまちと比較して出穂期は1日遅く、耐冷性は極強、いもち病抵抗性は強、低アミロース系で玄米は白濁するが、粘りが強く冷めても硬くなりにくく、ブレンド米や弁当などに適している」としている。

 宮城県内では、作付の80%以上を占めるひとめぼれをメインに、ササニシキ、コシヒカリ、まなむすめ、たきたて、おきにいり他が続く。19年産栽培に向けては、ひとめぼれへの作付集中の回避と、業務向け需要を視野にまなむすめの増産、また固定需要としてササニシキの拡大を目指している。


- 2007年3月8日 -

宮崎早期米、作付・品種とも変動少ない

 宮崎県・JAはまゆう管内で19年産米の田植えが始まった。「昨年と同様に1〜2人が行ったもので、JAによる苗の供給は15日からのスタート。前年に比べると土・日曜日の関係から、1日早いかもしれない」(JA関係者)という。作付のピークは昨年と同じ20〜21日頃を見込む。

 作付面積は「計画をまとめていないが、高齢化の影響で若干減っていくのではないか」としている。18年産米の早期米は概算で1,800ha。JA米の取り組みは「20年産米からを目指している」とされ、19年産米から始めるところもあるため、一斉に開始というわけではないようだ。

 一方、集荷業者筋も「面積・品種構成ともにはあまり変動がなさそう」との見方を示す。気温が高いことから苗の生育が早く、農家から早めに植える話が聞かれるという。

 販売面においては「早期米の売り先が見えてきた。販売方法の見直しが必要かもしれない」としており、産地サイドでは需要の掘り起こしが求められる状況。なお、集落営農は「組織を立ち上げたものの、スタートが出来ないなど進んでいない」とされ、農政変換による影響は未だ不透明な部分が大きい模様。


- 2007年3月7日 -

米粉パン好評、外食での取組拡大

 ファミリーレストラン・(株)ジョナサン(約400店舗)は昨年12月から3カ月間、米粉パンの試験販売を実施したが、83万個の販売・米粉の分量にして25トンという実績になった。

 全国米粉食品普及推進会議において(社)日本フードサービス協会・加藤専務理事が報告したもので、米粉パンは「マーケットの反応が良く、ジョナサンが試験販売を継続する他、すかいらーくグループのガスト(約1千店舗)でも準備を進めている」という。

 ジョナサンは米粉をマーケットで調達、ガストでも原料が手当て出来れば3月から販売を開始したい意向。外食業界では店舗数の拡大が難しく、差別化商品の開発が求められており、米粉は健康に良いなど特徴が出せる商材としている。ハンバーガーチェーンに取り組みを働きかけており、ピザ・居酒屋の業界にも行っていく。

 また、米穀機構が実施している現物弁済米の入札については、消費者が良いというマーケットプライスが出来るまでは、小麦粉水準での安定的な手当てが必要と指摘する。


- 2007年3月6日 -

第4回弁済米入札3月15日、18業者登録・問い合わせも

 米穀機構は3月5日、現物弁済米の入札(第4回)を15日に実施すると公告。対象は米粉パン・米粉麺・米粉ケーキ用原料で、前回と変わらず。受渡期限は4月2日以降2週間。

 米穀機構の前田常務は米粉推進会議で、「21道県の米を所有しており、月に2回米粉パンで入札を実施している。不落となっているが、生産者などの基金で運営されており、赤字が出ることは避けなければならない。(買い手との)間で知恵を絞って価格を作っている」と説明。応札するには登録する必要があるが、申請してはじかれた業者はなく、いまのところ18業者が登録、問い合わせも寄せられているという。

 また、米粉パンの学校給食用は「産地の特定化要望が2〜3上がっているが、破砕工程の管理でコンタミの問題がある。特定するには手間暇がかかり、コスト増につながる。ただ、学校給食向けは重要で、月間の量・提供の荷姿などを考えていきたい」としており、需要者の要望に配慮していく考えを示した。その他、販売対象についても原則があるものの、増やしていきたい意向で、対象先の案などを求めている。


- 2007年3月5日 -

1月末、契約は前年比3万トン増(全集連)

 全集連の18年産主食用うるち米の販売計画数量は17万4千トンと整理されている。17年産米比1千トン減で、作柄低下による影響は最小限に抑えられてほぼ前年並みの規模。

 これに対して1月末現在の契約数量は10万2千トン(計画数量比59%)まで上がっており、前年同期の数量を3万トン上回っている。ただし、実販売数量が前年より7千トン少なくこれまで4万5千トン(同比26%)しか進んでいないのがつらいところ。

 2月に実施した第2回事前年間取引でも1万1千トン成約しており、実販売に弾みがつかないこととは裏腹に契約だけは進行している格好。


- 2007年3月2日 -

SBS輸入業者の整理が進む

 19〜21年度におけるSBS米の輸入業者は、18年度より▲8社の28社。16〜18年度の▲4社(資格者は39社)に比べ減った数が大きく、SBSに取り組む輸入業者の整理が進んでいる。

 1回の最低ロットは34トンで、1回落札すれば有資格要件を満たす。18年度で落札したものの申請をしなかったところもあるといわれ、資格要件に関わらず見送ったところが出ている。逆に18年度で1件も落札しなかったところは1社程度。

 輸入業者ごと数量の多寡はほぼ固定化しているようで、少ないところでも販売先の維持から取得したと見られる。なお、12年度で49社まで有資格者が増えたが、その後減少傾向となっている。


- 2007年3月1日 -

ヒノ代換え、山陰・四国産とこまち系で(九州卸)

 福岡を中心とした九州地区の末端販売では“定番中の定番”である、各県ヒノヒカリが今月初旬から急速に店頭から姿を消しつつあり、「大手量販店、生協、地場食品スーパーなど総合的に見て、平年作の品揃えに比べ30%弱程度まで縮小してきた」(福岡県内卸)との指摘が聞かれる。

 県別では佐賀県、福岡県産ヒノヒカリの縮小が深刻になってきており、「大分県産などで棚割りを守っている状況で、各店では工夫を凝らして代換え銘柄を投入させている」(同)とのこと。2月下旬段階では島根コシヒカリ、鳥取ひとめぼれなど山陰・四国産、また秋田、岩手産あきたこまちと「店舗リサーチ調査をした感触では、こまち系の取扱いが目立ってきた印象だ」(同)としている。

 代換え米は初期時点で北陸産コシヒカリも検討されたが、「5キロ1,580円〜1,680円前後の価格帯が、九州末端販売の“標準”ではめ込み難い」(同)から浸透していない模様。今後も「地区内で力のある米卸でも3月末で在庫不安が生じてくる公算で、4月以降からの代換え米の選定が急務になっている」(同)との状況。


- 2007年2月28日 -

台湾米の事業拡大で資格を取得(中島美雄商店)

 (株)中島美雄商店(中島隆太郎社長/滋賀県・草津市)は、今回のSBS資格の新規取得について、「当社では台湾産米である“夢美人”の国内販売を行っているが、この台湾事業を今後とも拡大していくために必要と判断した」としている。

 同社は昨年から夢美人の国内での扱いをスタートさせており、米穀小売店で組織する夢美人会を通じ5キロ2,980円で販売。前年産では商社を通して144トン分が輸入され、米穀店や通販ルートで販売が進められた。

 夢美人は同社が保有する夢かほりを台湾で栽培、日本に逆輸入する形で販売する方式が採られている。


- 2007年2月27日 -

SBS有資格者8社減、新規に中島美雄商店(輸入業者)

 農水省は2月23日、平成19〜21年度における米麦の輸入業者の資格審査結果を公表。本紙関連の米の競争参加有資格者は(1)一般輸入=申請者は16社で、有資格者数は対前年度1社減の16社(2)SBS輸入=申請者は31社で、有資格者数は8社減の28社。新規で(株)中島美雄商店が取得しており、前年度の有資格者で止めたところは9社に上る。

 SBSの有資格者が大幅に減ったが、農水省では「資格継続となる前年度の数量制限に達していないため」としており、16〜18年度の3年間において20トンの資格要件を満たしていないことが要因。

 有資格者の変更は(1)一般輸入=住金物産(株)が申請せず、その他は変わらず。(2)SBS輸入=新規資格者が(株)中島美雄商店の1社。申請などを行わなかったところは▽(株)組合貿易▽住金物産(株)▽大丸興業(株)▽東工コーセン(株)▽西本貿易(株)▽(株)日洋▽野村貿易(株)▽(株)ミツハシ▽(株)明治屋の9社。


- 2007年2月26日 -

発芽米の売価2割下げ、販売拡大へ(ファンケル)

 (株)ファンケル(横浜市)は4月1日から「発芽米」「おいしい発芽米 ふっくら白米仕立て」の販売価格を改定、通信販売・直営店舗・卸の全てのチャネルで約20%値下げすると発表した。販売価格が一般米に比べ約2倍と高値なことが、発芽米普及を阻む要因の一つと捉えており、価格改定により販売量の拡大を目指す。生産量は現状7千トンで、これを「1万トン超にもっていきたい」(同社)としている。

 価格改定は国内最大といわれる生産能力(月産1千トン)のスケールメリットを生かし、生産量の拡大によるコスト効率を高めることで実施。また、価格改定を機に流通の既存ルートのてこ入れを図るとともに、中食・外食産業への提案を強化する。

 希望小売価格(カッコ内は旧価格・税込み)は▽通販・直営店舗用=1キロ:780円(995円)▽流通卸用=950g(新容量):735円−など。

 原料米は「年によってバランスを図るが、基本的に北海道ほしのゆめ」としている。商品の問い合わせは同社(電話0120−750−210)まで。発芽米の販売は、昨年テレビに取り上げられたことで盛り返しており、懸案事項だった販売価格の引き下げを実現することで拡大路線の期待が膨らんだ。


- 2007年2月23日 -

牛丼完全復活で米使用規模も急回復へ(吉野家)

 (株)吉野家ディー・アンド・シー(東京・新宿区)では2月21日、3月1日から牛丼の販売時間を全店で9時間延長すると発表した。また長期に渡り休止していた“特盛り”メニューも再開するとのことで、完全正常化に向かうとともに米使用量の急速な増加も期待される。

 現在の牛丼販売時間は午前11時〜午後3時と限定するが、3月からは「米国産牛肉の調達数量が増加してきたこと。また牛丼以外の定食メニューを注文する客が増え、提供時間延長が可能であると判断した」ことから午前11時〜午前0時までとなる。このため一時(牛丼販売中止時)は年間2万5千トン〜3万トンにまで縮小していた米の取扱数量も、急速にピーク時の3万5千〜4万トンにまで回復してくると見込まれる。

 また米国産輸入停止直後の平成15年以来となる“特盛り”も、当時より90円高い630円で販売が再開される。同社では北海道きららを中心に3〜4銘柄米を使用した、“吉野家ブレンド米”を地域ブロック別に使用している。使用する米は神明、木徳神糧、ヤマタネを通して、精米の形で各物流センターに仕入れる形が採られている。


- 2007年2月22日 -

旧登録卸の1月末在庫30万3千トンに減少

 米穀機構が公表した1月末現在における米穀販売事業者のうるち玄米在庫は、旧登録卸30万3千トン(前月比▲3万6千トン、前年同期比▲4千トン)、それ以外の大手届出業者[年間取扱4千トン以上。スーパー等除く]5万3千トン(前月比▲2千トン、前年同期比+1万トン)の合計35万6千トンとなっている。

 旧登録卸の在庫は、11〜12月末に33万トン台まで積み上がったが、減少に転じている。その他、大手届出業者も前月より減少したものの、前年同期との比較では毎月数千トンずつ増加傾向にあり、旧登録卸と大手届出業者の合計では前年同期を6千トン上回る在庫水準にある。


- 2007年2月21日 -

消費者ニーズに応じたササ生産(JA古川)

 ササニシキの生産拡大への活動を行うJA古川ササニシキ研究会では先頃、宮城県大崎市内のグランド平成にて総合検討会を開催した。

 検討会では▽倒伏防止のための水管理▽適正籾数確保のための栽植密度の検討▽消費者ニーズに応じた高品質ササニシキの生産…他など19年産栽培に向けた取組みについて協議が行われた。

 同会によると現在のササニシキ生産量は全国で約6万トン規模しかなく、そのうち約4万トンが本場である宮城県内で生産されているという。生産規模は縮小しているが、「貴重な品種ともなったササニシキだが、寿司職人などから変わらぬ絶大な支持をいただいている。

 またコシヒカリ系品種が持たない“あっさりした食感”は、和食のメニューに合うと言われている」としている。また、当日は今後のササニシキ栽培に役立てるため、「ひとめぼれとササニシキの試食を行い、ササニシキ独特の甘さを再認識してもらった」としている。


- 2007年2月20日 -

1月末検査447万トン、受検率52%

 18年産米の検査実績は、今年1月末現在で446万5千トン(前年産同期比96.1%)となった。農水省まとめによると、1月単月で11万2千トンが積み上がった。生産量855万6千トンに対する受検率は52.2%で、前年産より1ポイント上昇している。10月までに過去2年並みの積み上げがあれば最終値は510万トン前後が見込まれる。近年は、JAS表示の厳格化と検査民営化の移行で受検率が上がっており、本年産は6割前後となりそうだ。

 1月末の種類別検査は、水稲うるち421万3千トン(前年比95.9%)、醸造用6万8千トン(105.6%)、水稲もち18万4千トン(96.7%)、陸稲もち7百トン(68.1%)。水稲うるちの等級比率は、1等78.4%、2等17.5%、3等2.3%、規格外1.8%。1逃避率は前年同期より3.7ポイント高。

 一方、都道府県別の受検率(生産量に対する検査率)は、▽80%超=北海道▽70%台=秋田、佐賀、沖縄▽60%台=山形、新潟、富山、石川−など。関東、東海以西で50%を超えているのは、栃木、滋賀、佐賀、沖縄のみ。


- 2007年2月19日 -

好適米の契約に目途、引取も順調(秋田)

 全農秋田県本部による18年産酒造好適米の販売計画は2,400トン強。契約はほぼ目途が付き、引取も「始まりが早かったこともあり順調」(関係者)といわれる。本価格は「引取に目途がつくまでに何とかしたい。5中3平均を基に、それぞれの実状を加味して決める」。

売り手側では17年産米の下げで厳しい状況にあるが、買い手側も清酒が底を打ったといわれるものの全国的にそれがまだ波及しておらず、両者のバランスが問われるようだ。

 19年産米の作付は前年並みで検討している。「作付の8割を占める県南は減らさない方向」とされ、出荷契約などの状況で調整が行われる。品種構成は秋田酒こまちが若干増、美山錦は横ばい、吟の精などが少なくなる見通し。


- 2007年2月16日 -

消費地3卸招き生産者と情報交換(全農岩手)

 全農岩手県本部営農対策部では先頃、消費地卸3社を招いて、県内生産者、JA関係者との情報交換会を開催した。「米穀卸、担い手双方の意見を採り入れた米づくりを行うことで、いわて純情米の基盤確立をしていきたい」を狙いとして、岩手県、岩手県中央会の関係者も参加して活発な意見交換が行われたとのこと。

 当日は消費地から大和産業(株)、津田物産(株)、(株)ミツハシと3卸の担当者、県内からは“モデル集落代表者”20人とJA11人が一同に会した。米穀卸3社からはバラ化・フレコン化の推進、品質の向上、安全・安心米の供給などの提言が出され、県内生産者からは消費地における店頭販売価価格や、売れる米づくりへ向けての質問が出されたという。

 “いわて純情米”ブランドはひとめぼれ、あきたこまち、いわてっこ、かけはし、ササニシキの5品種で、18年産米からは県内向け中心に新品種どんぴしゃりの認知度向上が目指されている。


- 2007年2月15日 -

加工米需要は千トン規模、米粉パン入札は不落(弁済米)

 2月13日を目途に需要者の買い受け意向を求めた18年産加工用米不足枠の17年産現物弁済米。実需者が上げた数量は千トン規模になった模様で、くず米の減少・高騰などにより安価な国内産米に対する買い意欲の強さを改めて示した。販売手法は今後、米穀機構と関係者による協議で決まっていく。

 開始時期などで実際の買い受け数量は変わってくるが、需要者筋は「今年度だけで全量が売れるわけでもないだろう」と見ており、来期の販売も期待しているようだ。全農による19年産加工用米の集荷がどう転ぶか分からないことに対する安全策だが、くず米にとっても今期のような高値は通じない環境になる。

 9日に実施された米粉パン向けの入札は、3業者が応札したものの落札なし。第2回目は16日だが、予定価格の下方修正・買い手サイドの歩み寄りがあるかが焦点。需要を喚起するためには、広く認知され応札者を増やすことだが、まずは学校給食で実績を作ることか。


- 2007年2月14日 -

過去4番目に高かった1月平均気温

 気象庁は、今年1月の世界の月平均気温(速報値。陸地における地表付近の気温と向かい面水温の平均)が統計を開始した1891年以降で最も高い値となったほか、日本の月平均気温は同1898年以降で4番目に高い値となったことを公表した。

 長期的に1月の世界の月平均気温は100年あたり+0.73℃の割合で上昇し、日本は同+1.02℃の割合で上昇している。要因は、二酸化炭素などの増加に伴う地球温暖化の影響に、エルニーニョ現象や10年〜数10年程度の期間規模で繰り返される自然変動が重なったものと考えられている。

 日本の1月平均気温の平年差は+1.44℃で、1989年(+2.09℃)、1972年(+1.65℃)、2000年(+1.46℃)に次いで第4位の高い値。該当年の水稲作況は「101」「103」「104」だった。


- 2007年2月13日 -

超早場の田植え、平年比1週間遅れ(沖縄ひとめ)

 沖縄県では一部の生産者が1月中に早々と田植えを始めたが、八重山管内におけるひとめぼれの超早場栽培は、田植えのピークが2月中旬以降になる見通し。「播種時期が寒く、例年に比べ1週間程度遅い」(営農センター)といわれる。

 1期作の田植えは、今月下旬から始まり3月10日頃を目途に終わる予定。1期作を含めた出荷数量は、前年並みの1,300トンを見込む。取扱い品種は、19年産米もひとめぼれのみ。


- 2007年2月9日 -

北海道きららなど大手卸買い占めの噂も(政府米)

 2月7日の政府米売渡し入札では、「北海道きららを1,000トン近くなど、2万トン余りを大手1卸が落札したような噂が流れている」(大阪府内A卸)との話が聞かれるほど、一部の買い手に落札が集中したもよう。

 北海道きららについては「1万1,800円で若干数量を落とした。また青森つがるロマンを1万1,850円、山形はえぬきは1万1,708円で落札したが、秋田こまちについては1万1,550円で不落だった」(大阪府内B卸)との事例が聞かれる。その他では「大手卸による大量札が入った模様でほとんど引っかからず、宮城ひとめぼれを1万1,720円で落札した程度。玄販目的による買い占めかな?」(大阪府内C卸)との声が出る。

 噂の大手卸によると「北海道きららは1,000トン申し込んだが通常の範囲で、その他は各県コシヒカリなどまあ幅広くは確保に行った」としている。


- 2007年2月8日 -

発芽米入りコシ発売(ファンケル)

(株)ファンケル(横浜市)は、2月下旬から「発芽米入り こしひかり」「発芽米ふっくら白米仕立て入り こしひかり」(各2kg、希望小売価格1,380円)を一般流通限定で発売する。

 コシヒカリ無洗米に発芽米を約3割ブレンドした商品で、特徴は(1)利便性の向上(無洗米使用でコメを研ぐ必要がなく、発芽米と白米を混ぜる手間が要らない)(2)ブレンド比率は発芽米の栄養が実感出来、白米のおいしさが味わえるように設定(3)発芽米のネックであった価格を抑えた(4)2kg袋にしたことで、通常の白米コ−ナーでの販売など。

 コシヒカリは茨城産米を使用。発売後1年間で3億円の売上目標。取扱いは関東エリアのイオン(約140店舗)、マイカル(約34店舗)、ダイエー(約79店舗)において順次展開される予定で、「様子を見ながら拡大していく」考え。問い合わせは(電話0120−750−210)まで。


- 2007年2月7日 -

弁済米入札、産地区分せず一本に変更

 米穀機構は2月6日、現物弁済米の入札説明会を行った。参加は「実需者9者。そのうち登録済みが7者で、2者がこれからの段取り。問い合わせも含めていまのところ15者程度」とされる。

 入札の説明のなかで、変更された点は産地銘柄を区分せず一本にしたこと。種類は8産地8品種だが、業者の買い受けは▽落札した産地品種▽破砕業務を行う工場の立地▽持ち込み場所などを元に、米穀機構側が選択する。

 学校給食用の米粉パンなどは地元志向が強く、産地銘柄の明確ことが求められていただけに、品種が伏せられることは需要動向に影響を及ぼすかもしれない。また、第2回の入札は16日が予定されている。


- 2007年2月6日 -

直売増加で系統集荷40%割れ続出の声(西日本)

 18年産九州産ヒノヒカリの不作を“追い風”に直売事例が増加中の近畿、山陰、四国地区では「昨年10〜12月にかけて大阪、神戸、福岡など消費地業者が争って買いに入り、その結果として危険水域と言われる系統集荷率40%を割り込んだ県が続出している」(関西大手A卸)との状況が伝わる。

 その中でも深刻なのが近畿地区某県で「外食、中食など消費地実需者との結び付き分も含めれば、17年産米販売時から7〜10ポイント近く落ちたのでは?」(関西大手B卸)、「その産地県については18年産米で相当数量が直売に流れたようで、系統集荷で集まってくるのは“売りにくい”銘柄ばかりで、値頃感ある銘柄米はほとんど独自に結び付く現象が発生している」(A卸)とのこと。

 ただ、全国的に見ると「近畿、山陰など西日本地区の系統集荷ダウンは深刻だが、関東、東北では系統に戻る動きも見られ、全体での系統集荷については最終的に17年産米を上回ると聞いている」(某JA組合長)といった声も聞かれる。


- 2007年2月5日 -

集荷低調、価格改定で上積みも期待薄?(埼玉)

 埼玉県のJA系統による18年産米集荷は、作柄の低下などで前年割れとなっているようだ。某大手管内は加工用米などを含め前年の94%前後で、作況(94)通りの結果。

 「1月初旬の段階で(生産者が)持っているという話も聞いたが、ここまで来ればもうないだろう。それに集荷はいったん1月末で締め切られ、2月からの検査分は集荷価格が安くなると聞いている」といわれ、上積みは期待薄の状況。

 他の管内でも「1割強の減少。収量がキヌヒカリで通常7.5〜8俵穫れるのが7俵を切っている」とされ、実施した追加集荷も大きな成果には至らなかった模様。

 19年産米に向けては、集荷促進が検討課題とされる。品種構成は「出来の良くなかったキヌヒカリ・あかね空は作付を止めるところが出ると思う。彩のかがやきは若干増える」見通し。なお、彩のかがやきの18年産米は県全体で5,500haの目標で取り組まれた。


- 2007年2月2日 -

予想より低かった魚沼コシの下げ幅(卸)

 1月31日に実施されたセンター入札で1,600円余り下落した魚沼コシヒカリの結果について、「年末年始のギフト需要期が過ぎたことで、各卸とも無理して確保する必要がなかったことを示した結果。事前の予想ではもっと下げ幅が大きいと思っていた」(関西大手A卸)、「いつもは静かな系統本部が、今回の魚沼コシヒカリへの対応はナーバスになり、直前まで結果を気にしていた。個人的には1,800円以上の下落を予想していた。今後は夏場に“調整”が若干ある程度ではないか」(関西大手B卸)といった感想が聞かれた。

 一方、末端販売は5キロ3,880〜3,990円が中心価格となっており、「1月中旬〜下旬の魚沼コシヒカリの出荷は前年同期比95%前後で、納入先によっては90%以下と、“ギフト特需”の反動が起きている」(A卸)ところもある。


- 2007年2月1日 -

1月随契2千トン弱が成約(政府米)

 1月19日から31日まで受け付けられた政府米売渡し随意契約は、30日までに2,000トン弱が成約になっている。売れ筋銘柄は、岩手あきたこまち、宮城ササニシキ、秋田あきたこまち、石川コシヒカリなどが拾われている。

 これで1月の販売契約は、入札の約2万トンと合わせて2万2千トン弱。12月(2万9千トン強)より7千トンほど減少し、昨年11月をピークに下降気味。この要因については、(1)安い北海道・青森産等の売れ筋メニューが少なくなった(2)11月落札分(秋田こまち等)の引取が1〜2月に後倒しされている−など。

 複数原料用に使用している中堅卸は、「高いと魅力なく、価格次第。北海道産は1万1,500円以上は使えないし、コシも1万1,600〜700円まで」として、原価調整用の補充買いにとどめている。


- 2007年1月31日 -

中国産米麺で製品回収(遺伝子組み換え米)

 国内未審査の中国産遺伝子組み換え米の混入問題に関連し、該当品を輸入した森井食品(株)から米麺を仕入れている国内の加工メーカーが製品の自主回収を公表した。

 回収商品は▽「スープ米麺」「スープフォー」6品目=丸美屋食品工業(株)▽「アジアめん」13品目=味の素(株)▽「生活派 焼きビーフン」3品目=加藤産業(株)。なお、該当品は国内流通はしていない。


- 2007年1月30日 -

前年並みの18年産コシ検査、販売回復が課題

 18年産コシヒカリの検査数量は12月末の速報値ベースで152万3千トン、前年比98%(数量ベースで3万3千トン減)となっている。年産米全体の収穫量が前年産より51万トンも減産となったわりに微減にとどまっており、他銘柄に比べて前年並みの供給余力が見込まれる。前年産の最終検査実績は178万2千トンで、1月以降10月末までに22万6千トンが積み上がった。

 一方、全農・全集連の18年産主食向け販売米(旧自主米)のうち、コシヒカリは12月末現在で30万トン、前年比82%(6万7千トン減)で推移している。前年産は翌年10月末累計で115万2千トン(16年産比97%)となったが、どこまで回復するか注目されるところ。ちなみにコシヒカリは、17年産政府買入れで14万トンが振り向けられた。18年産の買入れは第1回目で9万8千トンが確定済み。


- 2007年1月29日 -

佐賀ヒヨク契約栽培、約1万トンショート

 JA系統による佐賀ヒヨクモチの契約栽培数量は2万4千トン。産地関係筋は18年産米の集荷を1万3千トン前後(3等以内)と見ているため、約1万トンが供給不足になる計算。

 全農は佐賀産米の取扱いについて「需要者ごと個別に対応している」と説明。実際の需要不足は明らかでないが、「17年産米の持ち越しがあるようで、組合員から何とかして欲しいという声は聞かない」(県加工組合関係者)とされる。なかには「17年産米の引取が悪く、18年産米のショートは渡りに船」との声もあり、大きな問題にはなっていないようだ。

 一方、12月末現在で規格外検査が6,853トンあるが、系統による統一的な提示は行われていない。品位が劣ることから、需要のあるところに販売している模様。


- 2007年1月26日 -

ヒノ検査18万3千トン、前年比2割減(12月末)

 18年産ヒノヒカリの検査実績は、12月末(農水省まとめ。速報値ベース)で25府県累計18万3千トンとなっている。前年産の同期との比較では、4万3千トン減とおよそ2割近い減少。前年産の最終検査は27万7千トンと1月以降5万トン積み上がったが、本年産は難しそうだ。

 このため年間販売の継続が難しいケースも出ており、代替え銘柄も焦点に。新規開拓という意味では、他産地銘柄にとって絶好の機会にもなっている。

 地域別に検査状況をみると、九州14万5千トン(前年産同期比77%、▲3万5千トン)、中四国4万9千トン(86%、▲8千トン)、東海・近畿1万9千トン(106%、+1千トン)。近畿産が増加しているものの、主産地・九州産の減産が大きい。


- 2007年1月25日 -

遺伝子組み換え作物の商業栽培面積は1億ha

 国際アグリバイオ事業団が18日に発表した調査報告によると、遺伝子組み換え作物を栽培している国は2006年で22カ国となり、商業栽培面積は世界全体で1億200万haで、初めて1億haを超えたという。

 2005年との比較では、栽培面積は1,200万ha(13%)の増加、栽培国はスロバキアが加わった。栽培面積が最も大きいのは米国の5,460万ha、次いでアルゼンチ1,800万ha、ブラジル1,150万haなど。栽培作物では大豆が全体の57%で最も多く、その他はトウモロコシ、ワタなど。イネは2005年から栽培を始めたイラン1カ国のみ。

 この調査報告では、2015年までに栽培面積は2億ha、遺伝子組み換え作物に取り組む農業生産者数は2千万と予測。また、遺伝子組み換えイネが本格的に商業化されれば、世界のコメ生産者2億5千万の3分の1にあたる8千万の農業生産者が遺伝子組み換えイネの栽培に取り組むとしている。

 日本では、農業生物資源研究所(茨城県つくば市)などが「花粉症緩和米」等の実用化試験を行っているほか、新潟や北海道でも栽培試験が実施されているが、遺伝子組み換え作物については慎重派や反対意見も多く、実用化までには曲折が予想される。


- 2007年1月24日 -

選任担当設置で80卸と結び付き(JAみやぎ登米)

 1月18日に実施された宮城米生産流通研修会では、JAみやぎ登米の榊原忠男米穀販売課長が「環境保全米づくり運動」についての事例発表を行った。

 平成14年のJA登米として組織決定して以来の取組みで、16年産米で5,995ha、17年産米7,759ha、18年産米では8,263haと順調に拡大してきた。今回の発表では「米作りに詳しい人間が先頭に立って販売すべき」(榊原課長)から、選任販売担当による営業・販売戦略方針が強調された。同JAでは本店米穀課内に販売企画業務担当者を配置し、独自に全国の流通業者を訪問する活動を行っている。「3名の営農指導員を指名して、消費地卸を中心に経費は掛かるが頻繁な訪問営業を行った。様々な話合いを進める過程で、技術者出身の強味で先方の疑問に即答出来る」(同)ことから、消費地流通業者との結び付きが進んでいるとのこと。

 一連の取組み効果としては(1)17年産米では東京、名古屋、大阪等を中心に約80卸業者等と結び付き、登米産米のネームバリューが高まった感触が持たれる(2)環境保全型農業や売れる米づくりへの、生産者及びJA職員の意識改革が図られた。17年産環境保全米は平成18年の早期に全量が成約、実需者側の認知度が向上した(3)環境保全米の爆発的な拡大・普及エネルギーが評価され、第35回日本農業賞集団組織の部大賞を受賞した。この快挙から環境保全米づくりが多くの農家から賞賛されると同時に、各生産者の大きな励みとなるとともに意識改革が進んだ…と報告された。


- 2007年1月23日 -

沈静ムードの道産米も超大手は沈黙(入札)

 1月24日に実施される18年産20回センター入札取引では、やはりきららなど北海道銘柄への関心が高く、「大手卸のみの世界で我々クラスは関係無いものの、きららが前回結果1万4,000円からの落ち幅に注目」(近畿中堅A卸)とややブームが下火となった感触も聞かれる。

 鍵を握る大手卸の22日段階の雰囲気は「きららはロット値引き分込みで1万3,700円をラインに10円玉かな?もう少しは入札で確保したいが、大きな無理はしないつもり」(大阪有力B卸)、「中京卸が今回も熱心だとの話も聞かれるものの、関西卸業界では昨年に比べやや沈静化した感じだ。1月に入ってきららなど卸間で手当しやくなったこともあるのか?」(大阪有力C卸)との状況。

 ただし、「超大手卸が今回は不気味なぐらい沈黙を守っている」(近畿中堅D卸)との指摘も。


- 2007年1月22日 -

水稲平年収量検討会(第2回)、26日に開催

 農水省は1月26日、「水稲平年収量に関する検討会」(委員長=滋賀県立大学・秋田重誠環境科学部教授)の第2回会合を開催する。

 今回は、地球温暖化が(1)作物生産に与える影響(2)水稲生産に与える影響−について各委員からプレゼンが行われるほか、現行の平年収量算定方法の詳細が報告される予定。地球温暖化による水稲生産への影響を検討して、算定手法を改善する。

 検討会は、作物学、数理統計、気象、環境学など各専門分野の学識経験者9名で構成。今年3月に中間報告を提起するなど半年で6回の検討会を開催し、秋頃に算定方法への反映のあり方を決定。19年産で検証したうえで、20年産から反映する方針。


- 2007年1月19日 -

古米使用の包装米飯、『熟女ライス』登場

 秋葉原の電気街でちょっと変わった包装米飯が販売されている。商品名は『熟女ライス』。パッケージには「18禁」の文字、物憂げな熟女の写真と共に、“アダルト米(古米)100%”“今が食べ頃…”とあり、どうやら古米を使用した商品のようだ。その他、「企画:百姓になった高橋がなり」「監督:国立ファーム」「流通・販売:ソフト・オン・デマンド」等のクレジットが記されており、なにやら妖しげな雰囲気が…。

 国立ファームに聞くと、同社はアダルトビデオ業界最大手のソフト・オン・デマンド社の創業者である高橋がなり氏が社長を退いた後、2006年4月に立ち上げた会社で、今回の『熟女ライス』も高橋氏の企画とのこと。貯蔵技術が進歩しているにも関わらず正当に評価されていない“古米”に着目、“古米=アダルト米”とネーミングした商品を開発し、有効活用したもの。

 今回生産分に使用した原料米は17年産北海道きらら397で、9万8千食(1パックあたり180g)を委託製造し、今月5日から参考価格160円(税込み)で販売を始めた。流通・販売はソフト・オン・デマンド社が独自のAV流通網を通じて行っており、首都圏を中心に約1,000店舗のビデオショップの店頭に置かれている。

 秋葉原の某ショップの店員さんに売れ行きを聞くと「かなり売れている」との答えが返ってきた。秋葉原はではかなり話題になっており、たちまち完売となったショップも出ている模様。また、国立ファームではブランド米や五穀米、赤飯などの関連商品開発も進行中で、今後はアイテムを増やしながらビデオショップ以外でも販売していきたいとしている。『熟女ライス』に関するお問い合わせはソフト・オン・デマンド(株)営業部(TEL:03-5328-7100)まで。

「熟女ライス」パッケージ写真


- 2007年1月18日 -

納豆ブームがコメ消費を誘爆?

 ブームの火付け役は1月7日夜のフジテレビ系列「発掘!あるある大事典II」。女性を中心に「納豆を食べれば痩せられる」と受け止められ、各地で納豆が売り切れるケースが続出した。

 もちろん、納豆と切っても切れない縁にあるのがご飯。納豆消費拡大は、確実にコメ消費拡大にも結びつく。いったん消費減傾向を見せていた発芽玄米も、昨年はテレビ番組で取り上げられたことがきっかけとなって、売り上げ増加となった。

 ちなみに、納豆の年間生産量は原料大豆にして約11万トン。これは50グラムパックの納豆44億個に相当するそうである(関西納豆工業組合)。仮りに、納豆の消費が3割増えるとしたら、13億食の米飯消費増になる?


- 2007年1月17日 -

サト、フレンドリー合併で、関西最大手外食チェーンへ

 関西地区基盤の外食企業であるサトレストランシステムズ(株)(大阪・堺市)と(株)フレンドリー(大阪・大東市)は1月12日、平成19年10月1日を目途に合併すると発表した。存続会社はサトで、合併後の売上高は昨年度末時点で約450億円、店舗数は346店舗と、関西では最大手の外食チェーンとなる。合併後の新会社名などは今後に両社間で協議していく予定。

 サトは和食ファミリーレストラン「和食さと」、「和食鍋処すし半」を中心に、関西、中京、関東に214店舗を展開する。一方、フレンドリーは洋食ファミリーレストラン「フレンドリー」、居酒屋など、大阪府内を中心に132店舗を展開する。両社とも関西地区では圧倒的な基盤を持つが、多様な業態が乱立する外食業界の環境下で苦戦が続いていた。

 両社では合併を機会として多様な顧客ニーズに対応していくと同時に、仕入・物流面などで効率化を進めるとしており、米穀関連への影響も予想される。サトは白飯、雑炊、寿司等の和食メニューで、フレンドリーもカレーライスなど洋食メニューでコメの使用規模も大きいものと思われる。


- 2007年1月16日 -

4月に住商アグリビジネス設立(住友商事)

 住友商事(株)はこのほど、100%出資の事業投資会社である日東バイオン(株)(北海道北見市)と住商農産(株)(東京都千代田区)の統合を公表、19年4月1日に新会社・住商アグリビジネス(株)を設立する。

 両社の事業は日東バイオンが肥料製造直販、住商農産は肥料及び農業資材販売を主体としており、統合により製造・物流合理化並びに品揃え・売上高・取扱い数量で国内有数の肥料製造販売会社が誕生するという。

 肥料・農業関連資材以外に、農産物の取扱いも視野に入れているが、「いつからというスケジュールが立っているわけではない」としている。

 住商アグリビジネスの概要は▽本社所在地=東京都千代田区▽資本金=13億円▽出資比率=住友商事100%▽売上高=220億円(20年3月予想)。


- 2007年1月15日 -

沖縄で19年産の田植え始まる

 沖縄県で19年産米の田植えが始まった。第1期作の早場栽培は「例年、2月10日からのスタート。気象条件にもよるが、19年産米もいまのところ変更の話は聞いていない」(県)とされ、本格化するのは来月半ば以降の見通し。

 全体の作付面積は1千ha強と安定しており、1期作(6〜7割)、2期作(3〜4割)の比率も変わらない見通し。品種は引き続きひとめぼれが9割程度を占める模様。うるち米の銘柄認定はひとめぼれ・チヨニシキ・ちゅらひかりの3品種で、今後も新しい品種の取り組みは考えていない。

 一方、作柄はここ3年悪い。18年産米は1期作が日照不足(作況95)、2期作は台風13号の影響で86に低下。府県でも販売されているだけに、今年も天候が気になるところ。また、品目横断的経営対策への加入については、集落営農組織がなく、母胎つくりの勉強中といわれる。


- 2007年1月12日 -

牛丼復活で12月売上、前期比19%増(吉野家)

 (株)吉野家ディー・アンド・シーでは06年12月の既存店売上高について、前年同月比19.3%増となったことを明らかにした。

 12月1日からスタートした全店での牛丼販売が効果を発揮した模様で、客数も前期比17.8%増と好調な結果となった。現在のところは午前11時〜午後15時と時間限定販売だが、米国産牛肉の確保が進み24時間販売が可能になれば、業績は勿論のこと米の取扱数量も急速に回復する見込み。

 同社では一連の米国産牛肉の輸入禁止に伴い牛丼が提供出来ない状態となったが、9月〜11月中の日数限定販売を経て12月からは毎日の販売が再開し、他のメニューも含めて売上回復が顕著になっていた。同店の店舗数は日本国内で1,010店規模。


- 2007年1月11日 -

◆数量ベース10%増など上々のスタート(年末年始商戦)

 関西地区の末端販売における年末年始商戦では、事前のオーダー通り北海道きらら10キロ2,980円、秋田こまち10キロ3,480円等を目玉に「景気回復の影響からか郊外店舗を中心に売上が好調で、12月27日〜1月7日のトータルで数量ベースで前期比10%程度アップとなった」(近畿大手A卸)との状況が聞かれる。

 特徴的なのは年明け1月に入ってからの動きで、「前年は散々だった1日〜7日の実績が際だって良く、店舗によっては15%も上積みした現象が見られる。先方バイヤーは帰省や旅行帰りの客が週末3連休を中心に集中したことと、“お米10キロセール!”類の新聞折り込み広告が効果を発揮したと分析している」(同)という。

 また「年末年始商戦の実績は現在のところ集計中だが、前年実績を割った店舗は限りなく少ない感触」(近畿大手B卸)とのことで、2卸の聞き取りながら上々の新年スタートと言える。


- 2007年1月10日 -

ヒノ不作、外食業界でも影響(福岡)

 九州地区の外食業界では、「量販店など主食販売と同様に、ヒノヒカリを使う企業が多い」(福岡卸)ことから18年産の不作に苦慮している。

 福岡を基盤に九州全域から山陰、四国、近畿、東海、関東圏と一部東北地区に店舗展開する、ファミリーレストランのA社では東西で使用する米を分けているが、「九州地区の店舗については福岡ヒノヒカリを使っていたが、調達が出来ず佐賀産を模索したがこれも不発。最終的には商社ルートで鹿児島ヒノヒカリを“年内ギリギリ”で確保したと聞く」(福岡市内大手小売)模様。

 また18年産米では九州ヒノヒカリを中心に、東西店舗での使用米統一が計画されたが先送りされたとのこと。加えて、「不作に対応出来なかった地区内業者が契約を切られたようだ」(同)とも。


- 2006年12月26日 -

コメ卸の在庫増は18年産米、政府米は当月消化

 11月末現在における旧登録コメ卸売業者の在庫は33万2千トン、前月比3万4千トン増となっているが、増加のほとんどが18年産米の積み上げとなっている模様。

 17年以前産米の在庫水準はほとんど変わらず。購入機会が多くなっている政府備蓄米の在庫も増えておらず、購入イコール当月消化となっているようだ。

 年産別の在庫は、▽18年産=19万トン▽17年産=8万トン▽16年産1万5千トン▽15年産3千トン▽未検米=4万トン▽政府米=2千トン−水準となっている模様。


- 2006年12月25日 -

19年産の生産計画は21万俵(兵庫山田錦)

 全農兵庫県本部による19年産山田錦の生産数量は、18年産米と同じ21万俵で取り組みことが決まった。18年産米の委託数量は、21万5千俵程度と計画を上回ったが、需要も同程度まで上がっており、均衡は取れた格好。なお、主産地であるJAみのりの県南地区は作況は98。

 18年産米の検査数量は、11月末現在で1万3,611トン(22万7千俵)、17年産米最終に比べ86%となっている。等級比率は特等が65%で前年とほとんど変わらないが、特上は5ポイント上昇。関係筋によると、販売価格は特等で2万5,300円(前年比▲150円、紙袋・在姿)。ここ数年に比べれば下げ幅は圧縮している。


- 2006年12月22日 -

短粒種は最大で2千トン(豪州)

 水不足の影響で2007年産米の生産量が10数万トン規模となりそうなオーストラリア米。オーストラリア・ライスグロワーズでも「ここまで減ると短粒種もどうなるかわからない。コシヒカリの単収を平年ベースの7トンとして、現時点では2千トンを見込める短粒種を植えているが、水の絶対量が少なく、農業用の供給が最後まで続くかどうかは不透明」という。つまり収穫できるまで育つどうかはわからない状況のようだ。

 また、自由貿易協定(FPA)交渉については「コメが交渉から除外されるかどうかは別としても、今のコメ輸入のシステムではオーストラリアだけ関税が撤廃されるということは現実的には考えにくい。もしそうなれば米国など他国も黙っていないだろう。少なくとも米国、中国などとは同じ条件でなければ整合性がなくなる」としている。


- 2006年12月21日 -

1月4日から表示特別調査、玄米商品も対象(農水省)

 農水省は12月20日、例年より遅れていた表示特別調査を来年1月4日から2月末まで「18年産米穀の特別調査」として行うことを公表した。

 18年産の銘柄米を主体とした品質表示の状況と「産地」、「品種」、「産年」等の表示と内容の真正性を確認する。作況に誘引された不適正表示等の増加も懸念されると言及しており、「産年」と「九州ヒノヒカリ」にも重点が置かれそうだ。また、今年は健康志向の高まりを反映した玄米ニーズが高まっていることから新規テーマに「玄米」の袋詰商品を取り上げ、調査することになった。

 調査対象は、量販店・小売店など全国の小売販売2千業者(目標)と卸売販売業者。調査対象業者が販売する米穀について、表示根拠(表示事項と遵守事項の確認)と根拠確認(18年産銘柄米主体に、内容の一致状況と表示根拠を確認)するほか、玄米商品を含め全国で約400商品(目標)を買い上げて品種判別を行う。


- 2006年12月20日 -

セブン、ヨーカドーが共通商品開発へ

 セブン&アイ・ホールディングスでは来春以降から、イトーヨーカドーやセブンイレブンなど約1万2,000店舗で独自商品を開発、発売すると発表した。

 米穀関係については「独自開発商品について特別な話は入っていないが、将来的には精米商品の小袋タイプや、無菌米飯商品、またおにぎり、弁当と中食部門で浮上する可能性も」(関係米卸)との状況。

 セブン・アイでは食品を中心に100品目からスタートし、3年後には1,200品目、3,600億円の売上を目指す。開発した商品群には、新たなPB名が付けられる予定。

 量販店業界ではイオン、ダイエーなど大手企業を中心として、「地方部の中堅スーパーなどに対してのM&Aが一段落、この先1〜2年では共通商品の開発が急速に進んでくるだろう。数量がまとまることで価格訴求力と仕入面の効率化が実現出来る。また規制緩和によって予想されるコープ生協の台頭に向け、事前に商品開発力を養成するとの思惑も」(関係筋)との動きが指摘される。


2006年12月19日 -

定期入札4千トン上場、新潟一般コシ128口

 コメ価格センターで12月20日に行われる年内最終入札に、ロット値引きを条件とする定期注文取引として16産地品種銘柄4,387トンが上場された。

 売り手は全農。上場口数は、新潟一般コシ128口、岩手ひとめ・宮城ひとめ・秋田こまち・栃木コシ30口、山形・庄内はえぬき20口、岩手こまち・宮城ササ・山形コシ・こまち・会津コシ・福島ひとめ・茨城コシ・岩船・佐渡コシ10口。ロット値引きの条件・値引き額は変わらず、最大300円。1,567トン上場の新潟一般コシは15口以上から300円引き。落札下限価格は、期別の現行指値と同額。受渡期限は2月末。

 なお20日の期別取引は、上場を予定していた福岡夢つくし(204トン)が取り止めになる一方で、岩船・佐渡コシが各122トン追加上場されることになった。


- 2006年12月18日 -

きらら10キロ2,980円など特売指名(年末商戦)

 「爆発的に精米商品の売上がアップすることはないが、集客(折り込みチラシ)効果を目的とした特売要請が多い」(関西有力A卸)とされる年末年始商戦では、秋田こまち、北海道きらら、新潟コシヒカリなど知名度ある広域流通銘柄の指名が多い傾向が伝わる。

 大消費地では「覚悟はしていたが27日〜31日の期間で北海道きらら10キロ2,980円、秋田こまち10キロ3,480円でのオーダーが入っている。通常時期より数量を稼げるには違いないものの、薄利商売であり年明け2月以降からは適正価格へ努力を」(関西有力B卸)、「伝え聞く九州や関西地区には及ばないが、秋田こまち5キロ1,680〜1,780円、新潟コシヒカリ5キロ2,180円〜2,280円の特売計画を控える。ただ今年は魚沼コシヒカリのギフト利益が“潤沢”で、例年よりは穏やかな気持ちで対応出来る」(関東有力C卸)とした声が聞かれる。


- 2006年12月15日 -

委託数量は1割減の74万俵(熊本)

 18年熊本産米の委託数量は74万俵で、前年実績に対し89%の見通し。

 県経済連が11月末段階でのJAによる最終見込み数量をまとめたもので、主な品種は▽コシヒカリ=17万5千俵(前年実績比90%)▽ヒノヒカリ=22万俵(86%)▽森のくまさん=16万5千俵(82%)。

 一方、結び付けはヒノヒカリが買い手サイドの実績に対し不足するほどで、コシヒカリ・森のくまさんは実績割で94〜5%まで終わっているといわれる。森のくまさんはヒノヒカリの不足代替として、県内卸などによるシフトが見込まれる。

 また、不作が続いていることから、取引先へのきめ細かな対応と新品種導入に取り組む。「台風もあったが、要因は高温障害などはっきりしている。県と連携して適する品種を1〜2年を目途に考えたい」とされる。


- 2006年12月14日 -

精米表示の特別調査、年明けから実施へ

 農水省が毎年、出来秋に実施している表示と内容の真正性の確認に関する「精米の特別調査」は、年明けに実施される見通しになった。まもなく、具体的な実施日・内容がアナウンスされる。今期は、他の食品表示調査が緊急的に行われていたため、例年の10月中旬〜12月末の調査期間は3カ月ほどズレ込む格好。

 調査対象は、前年と同じく小売販売店(量販店・米穀専門店)3千店規模、精米卸売業者。精米買い上げでの品種DNA分析(600点規模)も行われる予定。また、「新米」、「銘柄米」、「加工米飯」など消費者の関心の高まりに沿って毎年テーマを変えて行われる付随テーマも新たに設定されて行われる。こちらもDNA分析(100点規模)を実施する方向にある。

 新米の裾物不足を背景に、政府古米の販売が好調に推移している。一時期、減少していた複数年産使用のブレンド米需要も増加しつつある。製造時のコンタミ(意図せざる異品種混入)にも気を配る必要がありそうだ。


- 2006年12月13日 -

中国産米、前回並み予想も(SBS)

 第4回SBS入札が12月15日に行われる。前回、中国産うるち精米短粒種は売渡価格がキロ256円に高騰、国内産裾物不足の影響が出た格好だが、国内産政府米の契約は12月も好調で、それにより今回の申込みに反動がでるのかが注目点。

 某大手商社は「中国産米は前回と同じ250円台ではないか」と予想する。需要は高値ならいらないとするところと、低価格米の手当てがうまく進んでいない業者とに明確に分かれ、ないところは手当てに向かうと見られるため。

 また、第3回で落とせなかった需要者などは、今回を逃すと次回の機会(19年度第1回は例年通りなら19年5月の実施)まで待つ必要があり、来年7月頃までの需要をカバー出来るかを考慮する必要性もある。

 一方、外国産米は豪州が干ばつでコメも影響を受ける見通し。第1回は豪州産米の落札が結構あるため、それが減るとなると中国産米の動きに波及するとの指摘も。


- 2006年12月12日 -

青森まっしぐら、主食・業務向けとも好評(東光食糧)

 東光食糧(株)では、18年産販売から青森県産の新品種まっしぐらを定番化、「発売初年度ということで品種の知名度を広めることが大変だが、消費者の反応は概ね好評で手応えを感じている」(米穀部)とする。

 商品は無洗米タイプ2キロ、5キロ袋の2アイテムで、5キロ袋の定番価格は2,280円となっており「タイミングを見て1,780円〜1,880円で特売を打つ」(同)という。

 主な販売先は東急ストア(プレッセ業態含む)で、「ゆめあかりに変わる新銘柄としての位置を確立するには時間が掛かるが、1年間を通して大事に育てていきたい」との方針。

 まっしぐらは主食向け販売と併行して弁当など業務向けでも使われており、「単品使用で食味の点で特に高い評価をもらっている」(同)とのこと。


- 2006年12月11日 -

きららとこまち、価格逆転(16年産政府米)

 12月6日に実施された12月の政府米売渡し入札(初度)では「北海道きらら1等を1万1,520円、青森つがるロマン1等を1万1,420円で落札した。提示数量の減が影響して特に関東卸の札入れが活発だったようで、毎回のように大口手当する超大手卸は一休みと聞いている」(関西有力A卸)との落札事例が聞かれる。

 また今回入札で売れ筋トップだった秋田あきたこまち1等は「当社では札入れしなかったが1万1,300円台前半で落札出来た模様で、関東、東海、関西と広い範囲からの札入れがあったと聞いた」(関西有力B卸)とする。

 きららと秋田こまちは価格逆転となったようだ。また、コシヒカリは1万1,500〜600円では落札できなかったとの情報も。


- 2006年12月8日 -

契約100万トン、販売48万トン(全農11月末)

 12月6日に行われた栃木米産地懇談会の席で、全農の原米穀部長が直近の米穀情勢を報告した。

 入札と相対を合わせた18年産の契約状況は11月末現在で約99万6千トン、単純比較はできないが前年同期は106万トンだったため、約6万トンのマイナス。入札は低調に推移しているが、相対(特定契約)部分は昨年を大幅に上回っている。

 一方、出荷ベースでは11月末現在で47万5千トンで、前年同期の93%、3万7千トン減。10月以降はほぼ前年並みで、9月までの早期米の分が響いたもの。天候不順で作が遅れたことと、卸が17年産米の消化を優先したことが要因と分析している。

 出荷の進捗状況は銘柄毎にばらつきがあり、ヒノヒカリ、キヌヒカリ、つがるロマン、夢つくしなどのB銘柄は好調で、前年対比110%を超えている銘柄もある一方、コシヒカリ、ひとめぼれは前年対比90%を切っており、あきたこまちも90%そこそこと不振。


- 2006年12月7日 -

もち米委託は4千トン見通し(全集連)

 全集連による18年産もち米の委託数量は、いまのところ3,700トン程度まで積み上がっている。最終は「4千トン近くが見込まれる」とされ、17年産米に比べ約800トンの減少。

 一方、契約数量は第2回年間契約までで800トン強で、提示はあと第3〜4回の年間契約を残すのみ。集荷見込みに対して3千トン強が残っている計算だが、スポットで結び付けるケースが多いため、今期も次回以降の提示は調整されて行われることになりそうだ。


- 2006年12月6日 -

水稲作況96で確定、陸稲合わせ855万6千トン

 農水省は12月5日、18年産水陸等の収穫量(確定値)を水稲854万6,000トン、陸稲1万0,100トンの計855万6,000トンと公表した。

 水稲の10a当たり収量は507kgで前回調査(10月15日現在)より1kg減。作況指数は96の「やや不良」で確定した。前回調査に比べて広島県の収量が1kg減の505kgとなったのみで、作況指数はその他の県を含めて変わらず。全国の水稲収穫量は前回見込みより1,000トン減の下方修正にとどまった。

 集荷円滑化対策(区分出荷)の発動見送りは決定済みで、単年度需給はほぼ均衡する見通しとなっているが、政府買入・販売による産地銘柄間の過不足、19年産生産の行方(作付8万ha削減目標)など、年明けの市況に影響する材料は多い。当面は、今月後半に行われる第1回政府買入れ入札が焦点になっている。


- 2006年12月5日 -

九州ヒノ3月危機で北陸コシに脚光(福岡)

 前年産に比べ10万トン規模の減産が予想される九州ヒノヒカリの代換えに、北陸産コシヒカリの指名が増加しそうだ。

 福岡を基盤に広範囲な納入ルートを持つ有力卸が「関東、東北産地も検討したが、距離の問題もあり北陸コシヒカリ導入を決めた。以前から九州の消費者に馴染みがあることと、食味の点で最も受け入れてくれると判断」(福岡A卸)したためで、他の地区内卸も同様の方針を検討する模様だ。対象は富山、石川、福井の3県コシヒカリで、今後の取引に少なからぬ影響を与えそうだ。

 ただネックとなるのが販売価格で「5キロ1,680円前後が中心の“九州マーケット価格”との調整が必要で、年明けの2月までに銘柄、価格等を固めたい」(同)とする。また一時は商品化も検討された16年産政府古米のブレンドアイテムは、「一般的な量販店、生協では圧倒的に単品銘柄の支持が高く、中止ではないが当面は見送る考え」とのこと。

 九州地区の卸業界ではJAルートなどを駆使してヒノヒカリの手当に必死だが、ほとんどの卸が2〜3月分までの確保が精一杯で“3月危機”が話題となっている。


- 2006年12月4日 -

日豪EPA、国内農産物への影響8千億円(農水省)

 農水省は12月1日、豪州との自由貿易協定(EPA)交渉入りに絡み、関税が撤廃された場合、価格面で不利な国内産農産物は生産が縮小する可能性があり、主な輸入品目である小麦・砂糖・乳製品・牛肉の4品目で約8千億円の減少額が出るとの試算値を公表した。品目ごとの試算値は▽小麦=1,200億円▽砂糖=1,300億円▽乳製品=2,900億円▽牛肉=2,500億円。

 コメには言及していないが、交渉対象は全品目と伝えられており、撤廃されれば影響が出る。仮にコメが外れても、小麦が撤廃となれば品目横断的経営安定対策への波及は避けられない。

 豪州のコメ生産は2006年産米が100万トン(籾ベース)、水不足といわれる2007年産米は40万トンに減産する見込みで、年によってバラつきがあるもののおよそ40〜120万トン水準。主食業界では主にSBS入札の第1回で国内産早期米とバッテングする状況にあり、安価な豪州産コシなどが入ってくるようだと国内産米への影響は避けられないものと見られる。


- 2006年12月1日 -

入札と逆行するきららの末端価格

 センター入札で続伸した北海道きららだが、末端販売では逆にセール値引事例が増加している。

 関西末端販売における今週のきらら10キロ価格は、量販店で2,980円、DS色の濃い食品スーパーで2,680円が最低水準で、「新米切り替え時は10キロ3,800円前後でスタートしたが、週末セールに限っては“定番”となってしまった2,980円が復活してしまった」(大阪有力A卸)との状況。

 こうしたことから「数業者の札入れで決まった価格に意味があるのか?需要側の意向が反映されない入札などやめてもらいたい」(大阪有力B卸)とまでの声が聞かれた。


- 2006年11月30日 -

18年産集荷12万6千トン、計画比74%(岩手)

 全農岩手県本部がまとめた18年産集荷状況(24日時点)は、▽ひとめぼれ8万6,000トン(計画比71%)▽あきたこまち3万2,100トン(同81%)▽いわてっこ4,900トン(同83%)他の、うるち米合計で12万6,400トン(同74%)となっている。

 同県本部は「前年に比べてペースは遅いが、これは主に収量減が要因となっている」(米穀部)としている。

 18年産の集荷・販売目標は▽ひとめぼれ12万1,000トン▽あきたこまち3万9,400トン▽いわてっこ5,900トンなど、うるち米合計で17万トン。


- 2006年11月29日 -

MA米在庫10月末で189万トン

 MA米の在庫は、10月末で189万トン。うち飼料用備蓄が35万トンが含まれる。3月末の203万トンから14万トン減少した。

 一部飼料用に販売してきた国産8〜11年産在庫が解消されたため、今年7月から輸入年度の古い12〜14年度輸入のMA米から順次飼料用への販売を開始、年間30万トン程度を売却する予定になっている。引き続き在庫縮減に向けて、加工用途向けに需要拡大を図るほか、新製品の開発による新規用途の需要拡大に積極的に取り組む方針。

 農水省は食糧部会の席上、「年間77万トンの輸入に対して、加工・援助を含め80〜85万トンの需要を作っている形。縮減に向かっている」と報告する一方で、「画期的な手法がなかなかない。189万トンの在庫は短期間での減少はない」との認識を示した。


- 2006年11月28日 -

16年産政府米、7〜11月契約10万2千トン

 政府米販売は、18年産の低価格米不足を背景に契約数量が増加している。随意契約を含めた月別の契約状況は以下の通りで、7月〜11月までに10万4,329トンまで積み上がっている。16年産は10万1,506トンが契約となった。カッコ内が16年産で、内数。

 ▽7月=2万3,625トン(2万1,182トン)▽8月=1万3,212トン(1万3,191トン)▽9月=1万0,449トン(1万0,279トン)▽10月=1万9,915トン(1万9,726トン)▽11月=3万7,128トン(全量。入札落札のみ。随契含まず)。


- 2006年11月27日 -

第4回SBS、来月15日2万5千トン枠で

 輸入米の今年度4回目のSBS取引が12月15日(金)に行われることが決まった。契約予定数量は2万5,000トン(一般米枠2万2,500トン、砕精米枠2,500トン)。実施日程は通常年のペース。船積み期限が来年2月16日、引渡し期限が同3月16日。

 今回は翌年度の引き取りが可能な「国庫債務負担行為」が選択でき、その場合は、船積み期限が3月26日、引渡し期限が5月1日となる。国産の裾物不足から輸入米への引き合いは強い。全量が落札されれば今年度のSBS取引計画量10万トンの契約を終了する。


- 2006年11月24日 -

政府米販売、7〜10月累計で8万6千トン

 農水省は11月21日、10月分の政府米販売数量(引き取りベース、速報値)を1万4千トン、前年比9千トン増とまとめた。

 7月〜10月累計は8万6千トン、前年同期より6万4千トン増。10月、11月の入札・随意契約で計6万トン近くが成約しており、現段階ではおよそ15万トン程度の販売が確定していることになる。このまま推移すると、年間30万トン規模まで積み上がってもおかしくなく、18年産米需給に影響必至。

 次回、12月6日の売渡し入札に向けても、「1万1千円台の低価格米はどの卸も欲しいはずで、前回以上に人気が集中するのでは。北海道、青森産は提示数量が絞られるとのことで、参加業者数も増えそう」(大阪府内A卸)と早くも応札を予定する声が聞かれる。

 また、「大手卸が九州向けに、ヒノヒカリの代換えとして政府古米使用のブレンド新商品を投入することを決定した模様。これまでも相当規模で手当したはずだが、今後の取引でも札入れしてくるのでは」(大阪府内B卸)との噂が流れる。


- 2006年11月22日 -

山形はえぬき、コンビニ固定販売3万5千トン

 山形米の固定需要拡大に注力する全農山形県本部は、17年産の固定販売数量(実績)を、うるち、もち計で8万0,060トンとまとめている。

 業種別でみると、コンビニエンスストアは、はえぬき3万5,090トン、あきたこまち1,030トンの計3万6,120トン。量販店・生協は、はえぬき1万3,630トン、あきたこまち5,050トン、コシヒカリ3,140トンほか。また、外食・業務用向けは、はえぬき1万1,290トン、コシヒカリ3,000トンなどとなっている。さらに、米穀店はコシヒカリ880トン、はえぬき810トン、あきたこまち650トンほか。

 ササニシキでみると量販店・生協向け440トンと米穀店向け100トン。もち米は外食・業務用で2,530トン、酒造メーカー向けの酒造好適米は1,320トンある。18年産での固定販売目標数量は8万8,010トンで、19年産は9万3,400トンを目指す。

- 2006年11月21日 -

もち米の結び付け目途がつく(岩手)

 岩手県の18年産もち米は第2回年間契約で提示されなかったが、「実需者の理解を得て結び付けの目途はついた」(JA関係者)とされ、県全体でも同様の傾向にあるようだ。

 もち米作付の大半を占めるJAいわて中央による集荷数量は「計画の約1万0,500トンに対し96%程度を見込んでいる。17年産米に比べれば若干減る見通し」とされる。作柄は17年産米と異なり品種ごとの違いがなく、ヒメノモチ・もち美人・こがねもちともに収量減となった。ただ、18年産米は庭先が安かったことで、ほとんどがJAに集まったと見ている。

 一方、品質はカメムシ被害が改善され、1等比率は83%程度にアップ。なお、県全体の検査は10月末で1万2,592トン、1等80%の実績。


- 2006年11月20日 -

政府米随契、宮城ササ、茨城こまちなど2千トン成約

 11月の政府米売渡しは、入札残を対象に10日から29日まで随意契約が受け付けられており、前半1週間の16日現在でおよそ2千トンほどが結び付いた。

 申し込みが多いのは、宮城ササニシキ、茨城あきたこまち、三重コシヒカリなど。売れ筋になっている北海道・青森産が入札で全量落札されているため、今後の積み上げは数量的に多くなさそう。今月の契約累計は入札(3万7千トン)と合わせ4万トン程度が見込まれる。

 卸筋によると、予定販売価格は新潟コシヒカリなど特別な産地銘柄を除いて1万1千円台半ばから1万2千円の範囲に入っているもよう。

 一方、12月6日に予定されている次回入札では、北海道・青森産は提示数量が絞られる見通し。短期間で成約が増加し、運送が追いつかない状況になっているため。11月入札でも、きらら6千トン、ほしのゆめ8千トン、つがるめロマン1万トンが成約となっている。年末年始の輸送事情も考慮した販売提示となりそう。


- 2006年11月17日 -

次週入札の魚沼コシに関心

 センター入札で活気があるのは、北海道産、魚沼コシ、ヒノヒカリの3つ。いずれも不足感のある銘柄で、すでに手当て済みの特定契約分だけでは足りないとされる。

 入札で高騰を続ける要因のひとつが、上場数量の少なさ。北海道産を例にとると、前年産の年内上場数量はきららとほしのゆめ合計で約2万9千トン、本年産はななつぼしを含めて約1万6千トンで、前年比55%。さらに実施回数の分散で上場数量が少ないため、買い占めに近い状態になりやすい点への不満も出ている。

 来週11月22日は先月11日以来の上場となる魚沼コシヒカリに関心が集まる。前回の落札価格は2万7,259円(裸)で、13業者が落札。北海道産と異なり、小口の複数落札型。「値上がりしそうなので、事前に市中で拾った」などの対応も聞かれるが、引き続き買い意欲は高そうだ。


- 2006年11月16日 -

10月末検査371万トン、前年比97%

 農水省がまとめた10月末における18年産検査実績は371万1千トン。出回りが遅れたが、10月15日から末日まで90万4千トンが積み上がり、前年同期比97%まで戻している。

 今後は、不作となった九州産の影響が出てきそうだ。種類別では、水稲うるち354万8千トン(97%)、醸造用4万6千トン(102%)、水稲もち11万7千トン(102%)、陸もち4百トン(83%)。

 水稲うるちの等級比率は、1等79.5%、2等17.4%、3等1.9%、規格外1.2%−で、1等比率は前年同期より2.7ポイント高い。


- 2006年11月15日 -

MAのバイオエタノール使用否定(農水省・小林次官)

 農水省・小林事務次官は11月13日の記者会見で、MA米をバイオエタノール向けの原料に活用する方針を固めたという一般紙報道に対し、「固めたという事実はない」と否定した。

 今後については「バイオマスの原料をどうするのか、コストを含めこれから検討する課題で、特定の事柄について方針を固めたとか、そういった段階ではない」との説明に留まり明言しなかった。

 MA米の在庫が大きな問題になるのは、保管経費に170億円(2005年度)という巨費がかかるためで、在庫の処理に向けては飼料用に販売を始めたところ。松岡農相は「在庫と保管経費をどう減らしていくかは大きな課題」と話しており、需要開拓が課題になっている。


- 2006年11月14日 -

北海道産、さらに上値予想も(センター入札)

 11月15日にコメ価格センターで行われる18年産第12回入札(期別取引)の上場は、25産地銘柄1万4,901トンと決まった。

 今回は、北海道産米が登場する。3銘柄ともに前回(11月1日)と同じ上場数量。前回は、きらら・ほしのゆめとも5倍前後の倍率をつけ、2業者が買い占め状態だった。きららは1万2,795円(指値比+495円)、ほしのゆめ1万2,802円(同+382円)、ななつぼし1万2,643円(同+223円)まで上伸中。

 「高くなりすぎた」との声も聞かれる一方で、前回・前々回とも落札できなかった業者が多く、「ユーザー絡みで欲しい卸の情報が伝わっており、1万2,800〜3,000円程度も予想される」との指摘も。


- 2006年11月13日 -

検査コンタミ「4ないし5%が妥当」(検討会まとめ)

 11月10日、米の農産物検査等検討会(第2回)が農水省で開催され、米検査で導入を検討している意図せざる異品種混入(コンタミ)の限度水準について「4ないし5%程度が妥当」、またこの見直しに伴うJAS法の100%表示については「単一銘柄使用」「単一原料米」のような表現とする−などの意見を集約した。提案としてまとめ、食品表示に関する共同会議、農林物資規格調査会に具体的な見直しを委ねる。

 導入に際しては、消費・流通段階で混乱しないように農産物検査法・JAS法の改正とも同時に実施する方向。その他、ブレンド米表示については、原料使用割合の〇%表示に代えて、〇割表示を導入する意見が出ているほか、表示の真正性を確保するための第三者による認証は、現行通り農産物検査を用いることが合理的とまとめる一方、DNA分析は混入限度の設定水準によって検討の余地もあるとした。

 委員からは、「許容限度を設定すると、その範囲まで混入してもいいと思われてしまわないように伝えるべき」「厳しく、守れる制度にして欲しい」「消費者に理解が得られるような説明が必要」「限度の有無に関わらず、的確な検査が確保されることが必要」などの意見が出た。


- 2006年11月10日 -

ブレンド米、ダイエー・西友で新米に切り替わり

 11月上旬に本社が実施した精米小売価格定点調査(首都圏・近畿)のうちブレンド米については、ダイエー・西友で原料構成が新米に切り替わったが、新たなブレンド商品は登場していなかった。

 「単品が一段落した11月中旬から」(近畿大手卸)との事情もあるが、「量販店向けの新企画はほとんど進展しておらず、生協コープ向けで統一アイテムの案が浮上している程度。

 ただ、コープ向けは先方バイヤーが積極的で実現してくる可能性が高い」(同)とする。ただ、末端での低価格志向が強いことや、コシ・こまちなどの16年産政府米の手当てが増えており、複数原料米ブレンドの復活もあり得そうだ。

 今調査では、▽ダイエー=コシヒカリブレンド(茨城コシヒカリ50%+茨城ゆめあかり50%)1,880円▽西友=産地厳選日本の米・近江米(滋賀県産米100%)1,680円…の2アイテムが18年産原料に切り替わった。

 また▽ジャスコ・サティ=富山産・栃木産こしひかり(富山コシヒカリ50%+栃木産コシヒカリ50%)1,880円、秋田産・岩手産あきたこまち(秋田こまち50%+岩手こまち50%)1,850円▽イズミヤ=香豊(大分ヒノヒカリ50%+鳥取ひとめぼれ50%)1,980円…の3アイテムが17年産米原料で販売されていた。


- 2006年11月9日 -

10月末販売27万5千トン、前年比85%(全農)

 全農の18年産主食うるちの販売状況は(10月末の速報値)、契約ベースで55万トン、前年産同期(53万8千トン)比102.3%となっている。

 センター入札での成約数量は少ないものの、相対契約は53万5千トン、前年比127%と好調に推移している。

 一方、販売実績ベースは27万5千トン、前年産同期(32万2千トン)比85%にとどまっている。


- 2006年11月8日 -

年明け分の確保検討へ(ヒノヒカリ)

 九州の販売業者とって18年産米は、ヒノヒカリの年間分確保が大きな課題になりそうだ。「年内分は確保したが、年明け以降どうするか。(業者筋などと)契約的なものを決めていく必要がある」(南九州の販売業者)という。

 ただ、18年産米の品質は「検査玉の1〜2等は昨年より良いくらいで問題ないが、未検米・規格外はシラタが多く真っ白。もち米に見間違えるようなものもある。価格は安く抑えられるが、使用割合が限られる」とされ、未検米を大量に手当てしておくのも考えもののようだ。

 未検米の混入は最大でも2割、出来れば1割までとの判断。仕入価格は1万円程度(税込み)と、中米クラスより安価なものもある。


- 2006年11月7日 -

秋田の農協に対する直接取引の要望さらに強まる

 秋田県内の農協に対する卸の直接取引の要望が強まりを見せている。7月には大手卸が量販店向けでさらなる安定調達を求めて訪れ「今回は全農抜きで訪問した」と切り出し強い思いを語ったらしい。これに対し農協側は全農秋田県本部が設定した直販に関わる努力目標の12%上限を説明し理解を求めた模様。

 10月下旬に開かれた産地求評会の前後も同会出席卸の農協“表敬訪問”が展開された。県南の農協では、関東の卸が高品質のあきたこまちを産地を厳選して買い付けたいとの意向を伝えたという。同じ時期、宮城県の卸の突然の訪問を受けた農協では「今の時期、直の話はありえない。余っている米なんてないよ」としながらも、門戸広く熱心に話を聞いた。

 こうした卸の接近とともに「複数の大手商社が攻勢を掛けてきている」(県内の農協)とされ、伝わりにくさも若干あるだけに商社の動向も大きな関心事となっている。


- 2006年11月6日 -

佐賀ヒヨクモチ、2等調整へ

 佐賀県のもち米団地を抱える佐賀地帯の作況は42。沿岸部とそうでないところでは収量に格差が出ているが、比較的ましと見られる地区でも「ヒヨクモチは通常、10俵近く穫れるのに6俵半程度に落ち込んでいる」(JA関係者)という。

 さらに「品質確保に対応し、メッシュを1.85ミリから1.9ミリに上げ、極力2等米造りを進めている。そのためくず米の発生が12〜15%と高くなり、製品としては6俵を想定している」とされ、集荷数量は取扱計画の6割以下に縮小する見通し。

 また、JA系統の集荷価格は1万0,500円だが、各JAは集荷促進に向け1千円の追加払いなどを実施している。経済連は契約栽培で相当量が結び付いていることから、年内を目途に追加払いを行う考えといわれる。


- 2006年11月2日 -

きらら続伸、200円高の1万2,795円

 11月1日にコメ価格センターで行われた18年産第10回入札(期別取引)では、北海道産が続伸した。東京基準・裸1等で、きらら1万2,795円(前回比+200円)、ほしのゆめ1万2,802円(+184円)、ななつぼし1万2,643円(+42円)。きらら・ほしのゆめは申込数量倍率4.1〜5.5倍、15〜17業者が応札したものの、落札はそれぞれ2業者と上限いっぱいの買い占め状態。

 また、栃木あさひの夢は1万2,725円(+62円)、青森ゆめあかりは1万2,699円(±0)と指値を上回っているが前回と同額。熊本阿蘇コシは指値修正どおり200円下げ。

 全体では、32産地品種銘柄1万6,477トンの上場に対して、落札は3,290トン、落札率20%。9銘柄には応札がなかった。その他、定期注文・特定取引にも応札がなかった。


- 2006年11月1日 -

九州の作況落ち、仕入に影響・単品中止も(関西卸)

 近畿以西の作況低下による仕入れ対応が注目されるが、ヒノヒカリなど九州産銘柄の扱いが多い関西卸は「九州ヒノヒカリの主食向け単品商品は大幅に縮小、また自社ブレンド米への使用比率も減らしている」(大阪有力卸)と、影響が出ている。

 関西消費地での九州米の認知度は高く、「ここ数年続く台風被害でピーク時よりは扱いは減ったが、それでも重点産地銘柄を中心に欠かせない米」(同)で、18年産米の極端な作況落ちには戸惑いを隠せない。

 当面の措置としては「近畿産銘柄の仕入追加に加え、茨城、千葉など関東産地にも目を向ける」としている。関西地区量販店では福岡、佐賀、長崎ヒノヒカリなどが、17年産米は5キロ1,880円〜1,980円で販売されたが「18年産米では単品販売は中止した」(同)対応も出ている。


- 2006年10月31日 -

青森まっしぐら、2万トンを販売(産地懇談会)

 全農青森県本部は10月26日、大鰐町で米卸13社を招き「青森米産地懇談会」を開いた。同本部は、ゆめあかりからの切り替えが進む新品種、まっしぐらの特性を強く訴えた。

 同銘柄の販売方針については(1)ポストゆめあかりとして業務用を主体に販売する(2)入札には上場せず相対取引とし、販売価格はゆめあかりと同額に設定する(3)特定契約を活用し、今後速やかに県産米の主力品種として市場評価を得ていく…と説明した。18年産の販売計画数量は2万トン。19年産は7万トンに拡大する。

 同本部の18年産うるち米の販売計画は、つがるロマン9万6,470トン、ゆめあかり4万1,230トン、まっしぐら2万トンなど計16万0,270トン。政府米は1万5,000トンを仮置き。農薬や化学肥料を減らした「青森クリーンライス」は前年より約1万トン増の3万5,070トンの集荷見込み。JA米は、うるち米で11万4,060トンを計画。


- 2006年10月30日 -

作況低下、「需給への影響はなし」(全農)

 全農の渡邉米穀部参事は、10月26日のいわて純情米産地説明会において米穀販売情勢報告を行った。

 同日に発表された作況については、「10月15日時点の作況指数は全国で96のやや不良となった。全国の主産地を歩いた実感として収量が少ないとの感触を持った。ただ、品不足など今後の需給への大きな影響はないだろう」としたほか、集荷について、「18年産米の集荷は現在240万トンが入庫しており、契約数量の6割程度。今後はカントリー分の入庫が進むが、契約をやや下回ってくるかもしれない」と報告した。

 18年産米の販売については、「累計で24万トンが出庫しているが、前年同時期より4万トンショートしている。これは出回り遅れに加え、17年産米の消化を優先したことが理由と考えられる」とした。

 新たな取引手法については、「入札、相対とも混乱しているのが正直なところ。先日は定期注文取引の手法に取り組み、3,700トン上場で2,000トンが落札、落札率53%となった。今後は結果を分析して上場数量やロットなど様々な面から検討していきたい」と語った。


- 2006年10月27日 -

もち米は4万トン強を繰り越し(全農)

 17年産もち米は全農分で4万トン強が繰り越しになる見通し。販売は、「春以降、前年を上回る月もあった」(全農)ことから、4月段階の推定5万トン台半ばに比べ圧縮したが、前年度の1万1千トン強に対し大幅な増加。今年度は1万1千トンの未契約も出ていることが特徴で、これはスポット取引で処理される。

 19RYは18年産米が8万2千トン(契約栽培+第1回年間契約)結び付いており、4万トンを合わせると12万トンを超える数量を消化しなければならない計算。

 もち米の需要低下を考えれば重たい数字だが、九州産米の生産量が大きく減ることは間違いないため、「国内産米の需要30万トン弱」に対し全国の生産量がどれだけ下回るかが鍵になりそう。なお、17年産水稲の生産量は31万4,200トン。


- 2006年10月26日 -

18年産全農玉秋田こまち25万6千トン計画

 全農秋田県本部主催の18年産秋田米懇談会が10月23日、秋田市内で米卸36社が出席して開催された。

 県本部は18年産米販売計画量を昨年とほぼ同じ30万トン(主食用29万6,000トン)と説明。あきたこまちは25万5,900トンを見込む。18年産米集荷実績は19日現在で20万9,800トン(進捗率70%)。1等米比率は95%と高く、品質は「たんぱくが良好」で、食味は「平年より優れている」と報告。

 意見交換では、卸が、17年産秋田米は7万トン強が政府に売却されたことを指摘し、「これが来年の春以降、17年産政府米として売却される。その最中にわれわれは18年産の秋田米を売っている。米価が二重、三重になって出てくる。ぜひ18年産は政府売却の数を減らしてほしい。そのことが秋田米の価格を上げることになるのではないか」「全量に近い量を集荷して一元販売することが価格を上げることになる」などと話した。


- 2006年10月25日 -

18年産引き取り、19日現在20万8千トン(全農)

 全農の原勝米穀部長は10月23日、秋田米懇談会で全国における米穀情勢報告を行った。18年産米の卸引き取り状況は、19日現在の実績(速報値)で20万8,000トン、前年産同期比83%。9月末時点の検査実績が148万トンと、前年産対比84%となっており、「全体的に検査段階でも出回りが遅れている」と説明した。

 10月15日集計の作況については、「全国産地から収穫状況を聞いていると97点いくつとなっているようだが、ここよりはさらに下回るのではないかと見ている。18年産単独では需要量とほぼ見あう形になるのでは」。中・四国及び九州で1等米比率が低下している状況については、「晩生種が検査最盛期に入ると比率がさらに下がるのでは」と見通しを述べた。

 さらに、政府買入れ数量の確定に向けては、「国と11月に指針までに話を詰めていきたい。一定量は政府米に売り渡していく考え方である」と語った。


- 2006年10月24日 -

9月販売1万3千トン、11月には反転(政府米)

 農水省は9月分の政府米販売数量を1万3千トン(引き取りベース、速報値)とまとめた。前年同月比で8千トン増加しているものの、前月との比較では1万トン減となった。

 7月(3万6千トン)をピークに、8月、9月と減少傾向が続き、10月もこれまでの入札、随時契約の状況をみるとほぼ1万トン程度の販売数量となる見込みでさらに減少する見通し。

 ただし11月に引き取る分については、10月までの減少傾向から反転してふたたび盛り返す流れとなっている。これは18年産米の作柄に関連した動きと取れるもの。流通業界が欲しがっている裾物が昨年に比べ1千円程度高値で動いているのが現状で、期待していた価格水準を大きく上回っていることが再度、政府米へ走らせる動機付けとなっている。


- 2006年10月23日 -

コシ新米品質は東高西低型、新潟産の低下目立つ

 コシヒカリ新米は、9月末までに全国計で85万4千トンが受検した。出回り遅れや作柄低下で前年同期のおおよそ1割減の検査数量にとどまっている。一方、品質は東高西低型がはっきり出ている。各県6〜9万トンまで積み上がった茨城・栃木・千葉産の1等比率は、いずれも9割超。出回りが始まった東北産も9割を超えを維持している。そのなかで、新潟産が7割を下回り、前年同期より17ポイントも低いのが目立つ。基部未熟粒、背白粒、乳心白粒が主な等級落ち理由で、平場地区での発生が多い状況。また、近畿以西は、軒並み前年同期に比べて2桁でのポイント落ち。香川・高知の1割未満を筆頭に、福岡、長崎、大分が3割未満と低率。

 品質低下はイコール、低価格米の手回り増にも繋がる。新潟一般コシヒカリの場合を例にとると、指標となる全農のJA米は前年より500円安の1万7,800円(東京1等裸)で現行設定されているが、600円格差となる2等比率が高いことで、加重平均するとさらに100円程度下がる計算。末端では売りやすい環境が出来そうだ。


- 2006年10月20日 -

順調なもち検査、千葉ヒメノは前年比6割増(9月末)

 もち米の検査が順調に進捗している。新米全体は、前年比85%と出遅れている中で、9月末で水稲もち5万1,739トン(前年同期比99%)、陸稲もち196トン(185%)。水稲もちで県別で目立つのは、千葉4,775トン(前年同期比162%)、岩手5,322トン(108%)、山形5,868トン(105%)、新潟1万9,516トン(106%)など。東北、関東、北陸地区で前年を上回っているところが多い。

 1千トン以上受検している産地品種銘柄と1等比率は、▽新潟こがねもち9,033トン(1等61%)▽秋田たつこもち1,513トン(1等44%)▽北海道はくちょうもち5,190トン(1等99%)▽ヒメノモチ=岩手4,921トン(1等85%)、山形5,543トン(1等84%)、千葉4,380トン(1等75%)▽新潟わたぼうし1万0,339トン(1等76%)。


- 2006年10月19日 -

きらら前回比126円高の1万2,474円

 10月18日、コメ価格センターで実施された18年産第8回入札(期別取引)では、申込倍率が2.7〜4.5倍ついて全量落札された北海道産米が値上がり。前回落札平均に対して、きらら126円高(東京基準裸1万2,474円)、ほしのゆめ45円高(1万2,495円)、ななつぼし51円高(1万2,485円)となった。それぞれ3〜4業者が落札した。

 その他、落札された銘柄で指値を上回ったのは、滋賀キヌヒカリ30円・日本晴3円、島根コシ5円、会津コシ・ひとめぼれ1円、新潟一般・佐渡コシ1円。島根コシは指値を下げており、現行対比では295円下げとなる。

 全体では、上場1万6,625トンに対して、落札は1,912トン、落札率11.5%。35産地品種銘柄のうち、4割の14銘柄には応札申込みがなかった。また、同時に上場された定期注文取引、特定取引には応札申込みがなかった。


- 2006年10月18日 -

9月末の新米検査155万トン、1等75.9%

 農水省は10月17日、9月末における18年産米の検査結果(速報値)を155万3千トンとまとめた。

 9月15日以降100万トンが積み上がったが、17年産対比85%、16年産対比84%と、およそ30万トン近くの遅れ。

 種類別では、水稲うるち148万1千トン(前年比84%)、醸造用2万1千トン(92%)、水稲もち5万2千トン(99%)、陸もち2百トン(185%)。

 水稲うるちの等級比率は、1等75.9%、2等21.3%、3等1.9%、規格外0.8%。1等比率は前年同期より2.2ポイント低い。2等以下の格付け理由は、心白27.6%、着色粒26.3%。


- 2006年10月17日 -

ダイエー、イオン提携で仕入に影響も(米卸)

 (株)ダイエーと筆頭株主である(株)丸紅は10月13日に、イオン(株)と資本・業務提携に関する検討を開始することで合意したと発表した。

 当面は3社間で早急に業務提携検討委員会を発足させ、(1)ナショナルブランド商品の共同調達、プライベート商品の共同開発(2)情報システム・物流の共同利用及び共通化…などの検討を進めていく予定で、2007年3月までの資本・業務提携が目指される。

 同時に(1)丸紅が保有するダイエー株式の15%程度をイオンに譲渡(2)ダイエーが保有するマルエツ株式の20%程度をイオンに譲渡…も検討されるということで、今後は精米商品を始めあらゆる分野で再編が予想される。

 今回の件について米卸からは「ジャスコ、サティ、ダイエー、マルエツとも納入体制は確立されており、18年産米販売での急変は考えにくい。ただ、商品の共同調達など我々に関わってくる部分も多く、今後の動きによっては対応も」(関係A卸)「コープや商品開発機構の精米販売事例のように、玄米調達や共通商品の話は出てくるのでは。特に玄米調達についてスケールメリットを求めてくると考えるのが自然で、この先は仕入先卸を巻き込んで様々な事態が」(関係B卸)とした声が聞かれる。


- 2006年10月16日 -

魚沼コシ、需要期前の次回入札に注目(卸)

 魚沼コシヒカリの10月11日入札結果には、「前回は2業者の買い占めの状態であったが、今回は広範囲の業者の札が入った。平均価格はほぼ予想した水準だが、幅があるのが特徴でフレコンは▲1,000円前後で落ちたとの話も聞く」(近畿大手A卸)との声が聞かれる。

 次回上場は11月8日で、「12月の需要期を前に2万7,259円を基準価格に、さらなる続伸の可能性が高い。3万円台の札入れも十分に考えられる」(近畿大手B卸)との指摘も。

 魚沼コシヒカリの年間を通しての需要ピークは11月中旬〜12月のギフト期で、「百貨店、生協、量販店他の歳暮ギフト、また年末年始需要を合計すると、年間取扱規模の5割近くに迫るのが最近の傾向」(A卸)にある。ただ、「ここをピークにその後は落ち着いてゆくのでは」(B卸)と予想している。


- 2006年10月13日 -

秋田こまち5キロ1,780円でスタート(量販店)

 首都圏量販店では先週末から秋田あきたこまち新米の末端販売がスタート、価格は5キロ1,780円〜1,880円と「最初から値頃売価でロケットスタートを」(都内有力卸)となっている。

 価格は今週も継続されており▽イトーヨーカドー=5キロ1,780円、10キロ3,480円▽サミット=5キロ1,780円、無洗米タイプ1,880円となっている。内容については「外見、食味ともに良好な感触」(同)としている。

 また宮城ひとめぼれもサミットで5キロ(500g増量)1,980円、岩手ひとめぼれ5キロ1,980円(ジャスコ)、イトーヨーカドー南魚沼産コシヒカリ5キロ3,380円と、新米販売がさらに充実する。


- 2006年10月12日 -

魚沼コシ続伸2万7,259円

 10月11日、コメ価格センターで実施された18年産第7回入札(期別取引)では、上場数量を増枠(当初予定184トン→1,591トンに修正)した魚沼コシヒカリの落札平均は裸1等2万7,259円、指値比3,259円高、前回比927円高と続伸した。34業者が申込み、13業者が落札。申込倍率は2.7倍だった。

 本社聞き取りによると、買い手の規模に関係なく応札しており、高値は2万8千円台もあった模様。上場数量を拡大したが、沈静化しなかった。

 また、指値を下方修正した北海道産は、指値比14〜48円高(前回比▲153〜▲187円)で全量が落札。全体では、43産地品種銘柄2万0,737トンの上場に対して、落札4,222トン、落札率20.4%。申込みがなかったのは秋田あきたこまちなど15産地品種銘柄で全体の3割強。また、定期注文取引、特定取引への応札はなかった。


- 2006年10月11日 -

販売委託は前年比17万トン減

 全農の米本博一常務理事は、10月6日に開かれた山形米販売拡大推進会議で18年産米の契約・販売状況を報告。

 9月末現在の相対契約実績(速報値)については18万6,000トン(前年比112%)と説明した。販売実績(速報値)は9月末累計で11万6,000トンと前年産同期比4万2,000トン少ないが、今後出荷が進み早い時期に前年並みに回復する見通しを示した。18年産米の需給については「作付面積の関係で9万トン供給が過剰になる」。

 また、連合会出荷米出荷契約数量はJA米303万トン、一般米83万トンなど合計400万トンと説明。これは前年産比で17万トン減。入札取引の成約が少ない現状については「入札と相対がバランスよく売れていくような」仕組みを早期に構築したい考えを示した。17年産主食うるち米の販売では、9月末の未契約数量は3万トンで、ほぼ契約の見通しがついたとした。同年産の農協直売は70万トン(前年比13万トン増)と推計。


- 2006年10月10日 -

地域別に3〜4卸から仕入れ(平和堂)

  地域別に3〜4卸からの精米仕入体制を採る平和堂の滋賀県内店では、パールライス滋賀、京山(株)、木徳神食糧(株)、(株)園田商店の商品が展開される。

 10月上旬時の主な商品は▽18年産滋賀コシヒカリ5キロ2,080円他(パールライス滋賀)▽18年産岐阜あきたこまち5キロ1,980円(京山)他▽富山コシヒカリ5キロ1,880円、秋田あきたこまち無洗米5キロ2,280円他(木徳神糧)▽18年産滋賀キヌヒカリ5キロ1,980円(園田商店)といったところ。チェック時には地元の滋賀産新米が別売場形式で、“美味しい新米登場”の幟と共に販促されていた。

 平和堂は滋賀県内を基盤に近畿、中部地区を中心として、滋賀64店、京都14店、岐阜13店、石川5店など広域展開する。大阪府内店では(株)神明、(株)大阪第一食糧ほか、(株)京山、東京都内店では(株)ミツハシ、(株)神明マタイ、伊丹産業(株)ほかと地域により異なる業者が納入する。


- 2006年10月6日 -

検査と「売れる量」の関係(新潟、北海道)

 今年の新潟一般コシは昨年より2等が多い。全農建値の引き下げ(前年比500円安)もあるが、2等が多くなったおかげで消費者に安く提供できるコシヒカリが増えることで、かえって販売拡大には追い風になりそうだ。

 北海道の農協系統では、今年も規格外米の検査では銘柄認定をしない方針。その方が道産ブランド米の食味・価格を安定させるのにはプラスという考え方だ。しかし、「安くはない北海道米」のイメージが固まると消費拡大にはマイナスとなるので、その辺の兼ね合いを意識した販売戦術が必要だろう。

 東北産でも、銘柄認定検査されない副産物として、単に「玄米1等」などとして取引きされるコメは増えてきている。低価格米の場合、品種が特定されない米にも需要は強く、こうした無印品種は隠れた人気商品だ。


- 2006年10月5日 -

「恋しぐれ」販売特約店募る(植物ゲノムセンター)

 (株)植物ゲノムセンター(茨城県つくば市)は同社が開発した短稈コシヒカリ「コシヒカリつくばSD1号(ブランド名=恋しぐれ)」の18年産発売にさきがけ、営業担当を含む6名の事業部を新たに設置し、拡販に取り組む。

 「恋しぐれ」はこれまで楽天や自社サイトのネット通販を中心に販売を行ってきたが、今後は「恋しぐれ」を常時取り扱ってくれる米穀店等と特約契約を結びたいとしており、専任の部署を設けたもの。「恋しぐれ」の美味しさを知ってもらうために食味会を開く計画もあり、首都圏を中心に100店ほどの特約店を募る方針。

 「コシヒカリつくばSD1号」の18年産生産見込みは約3,500トンで、同社ではそのうちの茨城県内及び、栃木、千葉、福島などで生産されている1,200〜300トンを自社で販売する。「恋しぐれ」に関する詳しい情報は同社ホームページ(http://www.pgcdna.co.jp/)を参照。


- 2006年10月4日 -

新米検査55万トン、1等71%に上昇(9/15現在)

 農水省は10月3日、9月15日現在における18年産の検査結果(速報値)を54万9千トンとまとめた。17年産比92%、16年産比81%と、過去2年に比べて5〜13万トンほど遅れている。

 種類別に見ると、水稲うるち52万3千トン(前年同期比91%)、醸造用9千トン(114%)、水稲もち1万6千トン(106%)、陸もち1百トン(192%)と、水稲うるちとその他では逆の展開。

 水稲うるち米の等級比率は、1等70.9%(前年同期比▲1.5ポイント)、2等24.7%(▲0.1ポイント)、3等3.3%(+1.1ポイント)、規格外1.1%+0.5ポイント)。1等比率は前回8月末現在より12.9ポイントアップした。関東、北陸産の1等比率が高かったため。2等以下への格付け理由は着色粒33.7%、心白・腹白22.3%。


- 2006年10月3日 -

青森まっしぐら、5キロ1,980円(東光食糧)

  東光食糧(株)では青森県産の新品種まっしぐらを18年産から採用し、10月14日から東急ストア(プレッセ)にて発売する。商品は無洗米タイプで価格は5キロ1,980円、セール時で1,880円が想定されている。

 同卸では「17年産米まで扱ってきた青森ゆめあかりから切り替える形で販売を決めた。19年産からは大幅に拡大していく計画と聞いている。それなら早い段階で店頭展開しようと考え、他卸に先駆ける形で売場投入する」(米穀部)という。

 また発売に合わせ東急田園都市線の中央林間駅店において、「産地の協力を仰いで14〜15日の2日間、お披露目キャンペーンを大々的に打つ」(同)とのこと。


- 2006年10月2日 -

「いばらきフードウェイブ2006・秋」を開催(茨城)

 いばらきフードウェイブ実行委員会(茨城県農産物販売推進東京本部・茨城県・全農茨城県本部)は10月18日(水)、県産農畜産物のPR・展示会「いばらきフードウェーブ2006・秋」を秋葉原クロスフィールドAKIBA_SQUAREで開催する。

 県産農畜産物と加工品の取引拡大を図ることを目的に茨城県が一体となり、展示・商談会の場を設けたもので、今回で3回目の開催となる。県内のJA及び農業生産法人、加工会社など31団体の他、全農県本部や市場関係などが出展。商社・量販店・外食産業・米穀卸売業者・食品製造業者などを招待する。

 コメ関係では、水戸・茨城みどり・茨城かすみ・つくば市・北つくば・常総ひかり・なめがたの各JAの他、全農茨城県本部・米穀部、生産法人では(有)アグリ山崎、(有)大嶋農産、(株)ふるさとかわちが展示を行う予定。


- 2006年9月29日 -

タイの香り米「ホームマリライス」フェア開催

 タイの香り米「ホームマリライス」の販促キャンペーン「タイホームマリライス&タイフードフェア」(タイ商務省外国貿易局主催)が9月27、28日の両日、都内で開催された。タイ料理を紹介し、ホームマリライス使用の弁当も500円で提供した。宣伝活動は10月下旬にタイレストラン200店でも予定。アンケートを実施し、抽選で東京・バンコク間往復航空券が当たる。

 香り米はほのかな芳香が多種多様な料理に合う。ホームマリライスの主な産地は、タイ北部及び東北部、特にマハサラカム、ロイエッ、ヤソートーン、スリン、シーサケッが有名。化学肥料を使わず、栄養価も高い。

 01年制定のタイホームマリライス法に従い、出荷前に民間委託業者がサンプルのDNA鑑定を実施。品質の優れた米だけが貿易局認可を示す「タイホームマリライス」マークの使用を許される。商務公使も挨拶で「品質基準を決め、高品質の保証としてマークを発行する」。


- 2006年9月28日 -

食べ較べキャンペーン第2弾を実施(全農岩手)

 全農岩手県本部では10月16日〜12月15日の期間、「いわて純情米・究極の食べ較べセットキャンペーン」を実施する。今春に続く第2弾企画でひとめぼれを始め商品添付シールで応募することで、いわて牛サーロインステーキ肉3名分などがプレゼントされる。

 前回と同じく当選者には岩手県産ひとめぼれと、新潟魚沼コシヒカリ2キロ袋のセットが付けられ、「2つのコメを食べ較べてもらうことで、岩手ひとめぼれの実力を改めて実感してもらうことが狙い」(米穀部)としている。全体で1,000名の当選者が予定され、12月22日まで到着分で締め切りとなる。

 このキャンペーンは量販店、生協、米穀専門店など全国が対象で、販促PRにはキャラクター起用した俳優の松平健を前面に出す予定。今春5月8日から6月30日の期間で実施された前回キャンペーンでは、応募総数9万1,589通と反響が大きかった。


- 2006年9月27日 -

10〜12月センター上場計画19万9千トン

 コメ価格センターで実施される18年産入札・期別取引の四半期10〜12月上場計画(26日現在)がまとまった。23産地56銘柄(延べ)合計で19万8,895トン。月別上場は、▽10月6万8,900トン▽11月7万8,714トン▽12月5万1,281トン。落札される状況に移行するかが焦点。

 期を通じて毎週上場するのは、青森つがるロマン・ゆめあかり、岩手あきたこまち・ひとめぼれ、宮城ササニシキ・ひとめぼれ、秋田あきたこまち、山形はえぬき、庄内はえぬき、福島ひとめぼれ、茨城コシヒカリ、栃木コシヒカリ、新潟一般・魚沼コシヒカリ・こしいぶき、富山コシヒカリ、石川コシヒカリ、島根コシヒカリ。北海道産は、10月は毎週上場、11月は29日、12月は20日と月1回。


- 2006年9月26日 -

世界初の耐塩性変異系統を作成(理化学研究所)

 理化学研究所はこのほど、世界で初めて耐塩性を持つ稲の作出に成功したと発表した。従来品種の1.5倍の耐塩性を持ち、この異変株を交配親として用いることによって栽培稲に耐塩性を付与、塩害水田でもすくすく育つ稲の育種へつながることが期待されるという。近年、土壌に塩分が集積し、農業に深刻な被害をもたらす塩害がアフリカ諸国やパキスタン、中国などのアジアの諸外国で問題になっている。

 理化学研究所と東北大学の共同研究で、重イオンビーム(原子から電子をはぎ取って作られたイオンのなかで、ヘリウムイオンより重いイオンを加速器で光の約2分の1のスピードに加速したもの)を「日本晴」に照射し、わずか2年の短期間で品種改良に成功した。ガンマ線照射やX線照射などの物理的異変処理や、科学的な変異薬剤処理などの突然変異誘発による品種改良に比べ、遺伝子の異変率が高く、異変固定に長い年月を必要としないのが特徴という。


- 2006年9月25日 -

悪天候も大阪タイフェスは大盛況(木徳神糧)

 木徳神糧(株)では9月16日〜18日に開催された「第4回タイ・フェスティバル大阪2006」に、専用の物販ブースを構え販売プロモーションを行った。

 会期中の3日間とも台風の影響で集客が心配されたが、「3日を通じ雨模様の天気ながら連日の盛況で、根強いタイフェステイバルの人気を実感した。当社では香り米ジャスミンライス450g入りパックを中心に、販売プロモーションを行い3日間で予定した600個を完売した。プロモーションには関西地区の代理店である、(株)神明商事の社員の皆様にも店頭販売に協力してもらった」(海外事業部)とのこと。

 会場は大阪市内の天王寺公園で飲食、物販売57ブースが出展され、今春開催された東京と同様に大賑わいだったという。


- 2006年9月22日 -

島根きぬむすめ、県内の中食・外食集め試食会

 島根の独自新品種きぬむすめの本格販売を前に、県内の中食及び外食需要者に実際に食べてもらい味を知ってもらおうと、島根県が主催(全農島根県本部後援)した「きぬむすめ試食会」が先頃、県内の事業者20社から合わせて40人が出席して松江市内で開催された。

 販売ルートの構築を狙った企画で、旅館・ホテル、食堂などの料飲食関係、弁当業者らが参加した。きぬむすめの炊飯特性に関して説明が行われたのに続いて、17年産きぬむすめを使い、白御飯、おかゆ、ちらし寿司、炊込み御飯、チャーハンなど各種用途で試食した。

 日頃、コシヒカリなどの高価格銘柄を使用している事業者から、食味のほか、外観やつやなどに対して評価の声が挙がった。新米きぬむすめのスーパーや米穀店での店頭販売は10月7日からを予定している。


- 2006年9月21日 -

新米検査16万4千トン、前年比87%(8月末)

 農水省は9月19日、18年産米の検査結果(8月末速報値)を16万3,700トンとまとめた。17年産比87%、16年産比72%と、遅れが目立っている。

 うるち米の等級比率は、1等58.0%、2等32.2%、3等7.5%、規格外2.3%。2等以下の格付けは、着色粒34.6%、心白・腹白27.7%−となっている。


- 2006年9月20日 -

九州で潮害・倒伏被害が発生(台風13号)

 台風13号による九州管内の水稲被害は、「9月16日の集中豪雨で冠水・土砂流入があったところに、台風が襲来したことで県全域を対象に倒伏が発生。ヒノヒカリは登熟の中期で、減収の目安は全倒伏で20%、半倒伏で10%が考えられる。また、有明沿岸で塩害も結構生じている」(佐賀県)、「一部で倒伏が出たが、大きな被害状況は上がっていない。風も大したことがなく、潮害の可能性がある程度」(熊本県)と、立地条件によって被害程度が異なっている。

 九州農政局では、「倒伏・籾擦れ、雨が降ってなかったことで潮害が懸念されるが、潮害の影響が出るのは1週間くらいかかることもあり、具体的な被害がまとなるのは時間がかかる」としている。被害程度が拡大する可能性も。


- 2006年9月19日 -

消費者も招待、プレミアム宮城米の試食会

 宮城米消費拡大推進連絡協議会、宮城米マーケティング推進機構は10月10日、ホテル仙台プラザにおいて「プレミアム宮城米・新米試食会」を開催する。当日は県内の実需関係者や、「一般公募で24人の県内消費者を招待する」(県)予定。

 プレミアム宮城米は▽整粒歩合85%以上▽玄米タンパク含有量6.3%以下などの生産基準を設定した、“高級宮城産ひとめぼれ”との位置づけ。全農宮城県本部の集荷計画では「18年産米で本格的なデビューとして、県内外への知名度アップを図る」(米穀部)として、1,000〜1,400トンが目標とされる。

 18年産米での生産は▽JA加美よつば=作付550ha▽JAみやぎ登米=同430ha▽JA栗っこ=同170ha▽JAみどりの=同135haの県内4JAが取組んでいる。


- 2006年9月15日 -

4業者納入で精米販売(調布パルコ)

 札幌、東京、名古屋、熊本など全国で20店舗を展開するパルコでは、ファッション業態ながら食品部門を抱える店舗もある。

 9月上旬に前面リニューアルを実施した調布パルコ(東京)では、地下1階食品フロアで精米売場を展開している。9月2日段階でのチェックでは▽(株)百萬粒=魚沼コシヒカリ、新潟コシヒカリ他▽(株)上原米店=新潟コシヒカリ他▽(株)大潟村カントリーエレベーター公社=秋田あきたこまち▽菅原精米工業(株)=宮城ひとめぼれ、千葉ふさおとめ新米他…と4業者納入で棚割構成されていた。


- 2006年9月14日 -

第3回センター入札、落札174トン

 コメ価格センターで9月13日に実施された18年産第3回入札(期別取引)の結果、上場6産地11銘柄2,765トンに対し、応札・落札は4産地6銘柄174トンとなった。申込数量倍率は0.1倍、落札率は6.3%。

 落札平均価格は、茨城コシ、福井コシ・ハナエチ、三重一般・伊賀コシが指し値と同額。富山てんたかくは応札1業者のみだったが、同8円高だった。茨城こまち、千葉コシ・ふさおとめ、鳥取コシ・ひとめは応札がなかった。


- 2006年9月13日 -

米のDNA鑑定、新米キャンペ実施(三幸バイオ研究所)

(株)三幸バイオ研究所(大阪府大東市)は、9月1日〜10月末までの2カ月間、コメのDNA鑑定における新米キャンペーンを実施している。新米の出回りが本格化するなか、指定品種か否か(定性検査)の鑑定は重要度を増す状況。同社では分析の正確さとスピードを重視し、常に最先端の技術を導入し続けており、最短8時間(定性検査)で品種鑑定が可能。また、消費者の安全・安心に対する関心が高まっているなか、残留農薬検査・カドミウム検査も行っている。キャンペーン内容など詳細は同社HP(http://www.sanko-bio.com)で。


- 2006年9月12日 -

米穀出荷・販売届出8万7千業者(農水省)

 農水省は9月8日、18年3月末における米穀出荷・販売の届出事業者数を8万7,489業者とまとめ公表した。前年同期より6%(5,168業者)減。

 消費流通課によると、「通常の廃業もあるが、従来カウントしていた支店などを本社一括の届出にしたことが主な要因」としている。減少率の目立つのは、北海道、山口、熊本、沖縄など。前年同期も他県で同様の現象が出ていた。

 なお、17年4月1日から18年3月31日までに事業開始を届け出たのは1,287業者。前年度(16年4月〜17年3月)の開始届出4,429業者よりも減少している。


- 2006年9月11日 -

庄内のコシSD、愛称「のびのび」に決まる

 全農庄内本部はこのほど、今年産から本格的に取り扱う短稈品種「コシヒカリつくばSD1号」の愛称を「のびのび」に決めた。コンセプトは「少年の真っ白な心のように、しなやかに、自由にのびのび」。

 庄内での今年の作付面積は419ha。生産者500人以上が栽培に取り組んだ。集荷見込み数量は3万7,000俵(約2,200トン)。

 取り組みを進めるにあたっては、生産履歴の第3者機関による確認を行うことで品質の安定化を目指す考えで、穀検の「情報提供システム」を活用して消費者に情報を届けることを検討中。収穫時期は10月初旬で、中旬には主要取扱品種銘柄とともに試食会を開く予定。


- 2006年9月8日 -

実用化研究用の「花粉症緩和米」を栽培(日本製紙)

 日本製紙(株)は9月6日、「スギ花粉症緩和米」の効率的な生産システムを構築するため、徳島県の同社・小松島工場内に栽培面積500?の大型温室を建築する、と発表した。

 同社は以前から、農業生物資源研究所と共同で「花粉症緩和米」の開発に携わっており、今回のプロジェクトも農林水産省が2004年度から実施している「アグリバイオ実用化・産業化研究」の主要な研究項目として、同省から委託を受けたもの。

 建設されるのは、温度と照明の制御により3期作が可能となる閉鎖型の大型温室で、水耕栽培により年間700キロの米が収穫できる。遺伝子組換え作物の栽培に必要な手続きを経た上で、2007年1月から1回目の栽培を開始、収穫した「花粉症緩和米」は安全性試験や有効性試験などに使用される。

 茨城県つくば市の農業生物資源研究所でも昨年度から「花粉症緩和米」の栽培を行っているが、こちらは生物多様性の影響評価(環境安全性試験)や、試験圃場外への花粉の飛散状況の確認などを主な目的とした試験栽培だったため、実用化研究のための試料米としては必要量が足りなかった。


- 2006年9月7日 -

タイフェス出展で香り米知名度アップ(木徳神糧)

 木徳神糧(株)では9月16〜18日に開催される「第4回タイフェスティバル大阪06」に、専用の物販ブースを構えて出展する。会場は大阪市内の天王寺公園で、開催時間は3日間とも午前10時〜午後8時。

 同社では「今回のフェステイバルでは香り米の最高級ブランドである、ゴールデンフェニックスの知名度アップが主な狙い。関西地区の代理店である(株)神明商事とともに、タイ香り米・ジャスミンライスの物販ブースを出展する」(海外事業部)とする。

 会期中はタイ料理など飲食関係で35ブース、物販関係で20ブースなど、合計で57ブースの出展が予定されている。


- 2006年9月6日 -

夏天候は高温・日照不足、「作況98〜101?」

 気象庁は9月1日、8月の天候について(1)全国的に気温が高く、東・西日本の日本海側では日照時間が多かった(2)全国的に降水量が少なかった(3)台風上陸は1個(平年0.9個)、接近5個(平年3.4個)だった−とまとめた。

 6月から8月までの夏天候は、(1)梅雨期に大雨(2)短時間強雨が多発(3)気温の変動が大きかったが、全国的に高温となった(4)日照時間が少なかった−が特徴。

 8月の気温が平年より高めに推移したことから水稲生育も回復基調にあり、「全国作況は98〜101までの可能性が出てきた」(行政筋)との見方も。


- 2006年9月5日 -

新米キャンペーンに松平健を起用(全農岩手)

 全農岩手県本部では10月からの18年産新米キャンペーンに、俳優の松平健をキャラクターに起用する。

 同県本部では“岩手産ひとめぼれが全国食味ランキングで、特A評価を11回受賞”を切り口に、新米が出回る10月中旬から販促キャンペーンを予定しており、「NHKの大河ドラマ義経で弁慶役を演じる松平さんが、撮影で岩手県を訪れた際に食べた岩手米に惚れ込んでもらったことが接点。現在でも家庭で岩手米を食べ続けていることを知り、今秋からの広告キャラクターをお願いした」(米穀部)とのこと。

 今後は新聞、雑誌などの媒体を通じてのキャンペーン企画が予定され、「ブームとなったマツケンサンバのイメージで、やや派手目の演出を考えている」(同)という。


- 2006年9月4日 -

平年上回る余地も?(作柄情報交換会)

 8月30日、本年第2回目となる集荷円滑化対策のための作柄情報交換会が開催された。農水省8月15日現在の作柄概況(「平年並み」ないし「やや不良」)が報告される一方で、最終的に収量を決定する登熟の良否いかんでは平年作を上回る余地も残されているとの意見も出たもよう。日照が回復して高温障害の懸念も出ているなかで、気象状況や、いもち病・カメムシ・ウンカなど病害虫の発生動向を確認した。

 集荷円滑化対策については、18年産の生産者拠出期限が9月11日となっており、生産者支援金が60kg当たり4千円に引き上げる運用改善を実施した効果を期待した。また17年産の対策は、10月末に農政事務所等の現地確認を経て現物弁済数量が確定することになっており、区分保管されている約7万6千トンのほとんどが現物弁済される見通し。


- 2006年9月1日 -

庄内みどり農協がコシSDで講習会開く

  山形県のJA庄内みどりはこのほど、今年から本格的な生産販売を開始する「コシヒカリつくばSD1号」について理解を深めてもらう狙いで管内の生産者を対象に稲作講習会を開いた。

 全農庄内本部が取り組み方針について説明したほか、(株)植物ゲノムセンターの美濃部侑三氏が品種開発の経緯や品種特性、さらには食味評価などを紹介した。

 庄内全体での今年産「コシSD」の作付面積は419ha。JA庄内みどり管内では110ha。収穫した米全量を全農庄内本部に販売委託する。販売先としては、関西の卸を通じて一般米穀店向けが検討されている様子。

 刈り取りが始まるのは10月上旬の見通しで、反収については関係者が「8俵半〜9俵くらい」を見込んでいる。庄内全体での来年の作付計画は1,000haと示されている。18年産に対する消費者や生産者からの評価を踏まえて取り組みを進める。